月刊誌「WWDビューティ」で「ヒットランキング」の企画を担当している。リアル店舗からデジタルまで、チャネル別のヒットランキングを紹介するページで、毎月「ボディーケア」「アイメイク」など、カテゴリーを絞り百貨店やドラッグストアなど3社に取材する。今回はスピンオフ編をお届けする。4社に協力を得て、2020年10~12月の売り上げトップ3と、21年に期待する製品について聞いた。
「シロ」の透明感ある石けんの香りは、性別や年齢を問わず人気
まずは、「シロ(SHIRO)」フレグランスの売り上げトップ3を梅津和佳奈シロPR担当に聞いた。結果は以下となった。
1位“サボン オードパルファン”(40mL、3800円)
2位“ホワイトリリー オードパルファン”(40mL、3800円)
3位“サボン ハンド美容液”(30g、2800円)
「1位は、ライチやプラムもほんのり感じられる、透明感のある石けんの香り。年齢・性別問わず支持された。前年同期比約30%増と推移。各誌のベストコスメ企画にも毎年入賞している。2位は、ほのかな甘さがありながらも上品なフローラルがふんわりと広がると好評で同約3倍と伸長した。3位は、アロエ、酒かす、シアバター配合のハンド美容液。手洗いやアルコール消毒によるケアが欠かせない昨今、手軽に保湿ケアができる美容液として支持され同約50%増となった。心地よい香りでリフレッシュでき、ギフト用としても人気が高い」。
また、スキンケア部門では、“タマヌクレンジングバーム”が1位で同約5%増と好調に推移。「タマヌオイルやカンゾウエキスなどの美容成分を配合し、使うほどにキメの整ったクリアな肌へ導く。 19年2月の発売以来、3カ月分の在庫が約2週間で完売するなどスキンケア製品の中でも突出した存在だ。21年3月には、美容液プライマー、美容成分配合のリキッドコンシーラー、タマヌオイル配合で滑らかな艶肌に導くフェイスパウダーといった新製品の発売を予定している。メイクアップはスキンケアの延長線上にあると考え、あらゆる肌悩みを『隠すのではなく、美しく見せる』という発想で提案する」と話す。
「美肌菌を育む内外ケア」で注目を集める「キンズ」 5月にはヘアケアも発売予定
総合的な菌ケアのサブスクリプションサービスを展開し、急成長を遂げる「キンズ(KINS)」の売り上げトップ2は、次の通り。
1位“キンズ ボックス”(5980円、月額制)
2位“キンズ ブースター” (50mL、7800円)
キンズの袴田美菜PRマネージャーは「サプリをカスタマイズできることや、免疫力アップへの期待感などが口コミで広がった。1位は、皮膚の常在菌分布をチェックする検査キットと20種類の乳酸菌や酵母菌、乳酸菌生産物質、食物繊維をブレンドしたサプリメント、LINEアカウントによるカウンセリングがセットになった主力製品“キンズ ボックス”(月額制)で、同756%増だった。また、善玉菌のエサとなる乳酸菌生産物質(乳酸桿菌/豆乳発酵液)を配合した美容液“キンズ ブースター”も、見込みの4倍を達成。当初3カ月で販売を予定していた本数を、約1カ月で売り切った。『美肌菌を育む内外スキンケア』をコンセプトにしていて、他社に類似品がないことも強みだ。4月下旬から5月には、シャンプー、コンディショナー、頭皮エッセンスの発売を予定している。薄毛や白髪など頭皮の悩みを抱えている人に、頭皮の菌ケアを提案する」と明かす。
「エトヴォス」はスキンケア効果が高いベースメイクシリーズが好調
国産ミネラルコスメ「エトヴォス(ETVOS)」のベースメイク売り上げトップ3は以下だ。
1位“ミネラルインナートリートメントベース”(25mL、4500円)
2位“ミネラルコンシーラーパレット”(3.1g、4500円)
3位“ミネラルラディアントスキンバーム”(4.8g、4000円)
ティシュキン千晶PR担当は「1位は化粧下地で予測に対し同40%増以上を記録した。美容成分をぜいたくに配合し、潤いを与え乾燥による小ジワを目立たなくする効果や、すっと肌に溶け込む美容液のような使い心地が支持された。2位は、コンシーラーパレットで同2倍と推移。肌悩みを自然にカバーする3色設計で、ヒアルロン酸などの保湿成分を配合し肌にフィットするテクスチャー、石けんオフができる点が人気だ。3位は、高いスキンケア効果で乾燥小ジワを目立たなくするハイライトバーム。気になる目元や頬にひと塗りするだけで、ハリのある立体感を生み出し、ハイライト初心者にも使いやすい。今年は、20年秋にデビューしたラシャススキン シリーズから“ミネラルグロウスキンクッション”が発売予定。インナートリートメント効果でしっとり潤い、ハリ感のある肌へ導き、使うほどにスキンケア効果により乾燥小ジワを目立たなくする(効能評価試験済)クッションファンデーションだ。エトヴォスの処方制限の中で、スポンジに含浸させられる安定した処方を作ること、乾燥による小ジワを目立たなくさせる効能評価試験をクリアする点が難しかった。仕上がりとテクスチャーにこだわり、『みずみずしく、くすみにくいハリツヤ肌』を目指して試作を重ねているので、期待してほしい」と話す。
月桃を配合したスキンケアが安定の人気を誇る「琉白」
「琉白(RUHAKU)」のスキンケア売り上げトップ3は、次の通り。
1位“月桃バランスローション”(120mL、3600円)
2位“月桃デイモイストクリーム”(30g、3600円)
3位“月桃ナイトリペアオイル”(17mL、3600円)
今泉小百合ブランドマネージャーは「1位の化粧水は、2012年の発売当初から常に全体の2~3割の売り上げを占める人気アイテムだ。 エコサートオーガニック認証を取得し、月桃葉の蒸留水や沖縄の海洋深層水に加え、海ぶどうエキスでかすかにとろみがあり、しっとり感が続くと好評だ。売上高は10月が前年同月比9.7%減、11月が同8.9%増、12月が同11.5%減と推移。前年同月比では出荷本数が減っているが、一方でさっぱりした使い心地のふき取り化粧水“シークワーサーブライトニングローション”(120mL、3600円)は同22%増と伸びていて、消費者が肌質に合わせた使い分けを行っているようだ。2位は、10月が同12.2%減、11月が同24.3%増、12月が同4.3%増だった。ブランド発売当初から常に全体の1.5~2割の売り上げを占める。月桃の根、茎、種子、葉をまるごと配合し、肌のキメを整えるオイルを配合しながらも、やわらかで軽い使い心地を実現。より軽いテクスチャーの“シークワーサーブライトニングミルク”(30g、3600円)も前年同期比で88%増と伸長していて、海外への輸出も伸びている。3位は、月桃をはじめとする天然精油が香る美容オイル。10月が前年同月比9%減、11月が同13%増、12月が同26.9%減。こちらも、全体の1~1.5割の売り上げを占めている。21年に期待するのは、20年11月18日に公式ウェブサイトとビープル バイ コスメキッチンで先行発売された“月桃エンリッチクリーミーシートマスク”(1枚、23mL、856円)。11〜 12月の売り上げ目標に対し5%増と好調だ。肌や心が潤うことで、自分自身や他者にもやさしくできるように、というメッセージを込めている。2月18日に一般発売されるので、コロナ禍で不安や閉塞感を感じながらも頑張る方々のご褒美時間に使っていただけたら」と話す。