LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、新作時計の発表の場として1月25日から29日の期間、「LVMH ウォッチ ウィーク 2021(LVMH WATCH WEEK 2021)」を開催している。同イベントは20年にドバイで初めて催されたもので、今年は新型コロナウイルスの影響によりオンライン化された。
LVMH傘下の「ブルガリ(BULGARI)」「ウブロ(HUBLOT)」「ゼニス(ZENITH)」が参加しており、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は「大きなアナウンスメントを数日後に控えており、今回は参加できないが別途2月上旬に発表を行う予定」(フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)=タグ・ホイヤーCEO)だという。
初日となる25日のプレスカンファレンスには、ステファン・ビアンキ(Stephane Bianchi)=LVMHウオッチ&ジュエリー部門最高経営責任者(CEO)、ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ・グループCEO、リカルド・グアダルーペ(Ricardo Guadalupe)=ウブロCEO、ジュリアン・トルナーレ(Julien Tornare)=ゼニスCEOが登場し、異口同音に「実際に対面することはできなくとも、デジタル技術によって皆さんとライブでつながりを持てることを非常にうれしく思う」と話した。併せて、各工場の様子やアンバサダーとのトークセッションを配信した。
プレスカンファレンスは全編英語で行われ、アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の約1000人が視聴した。時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトは、「こういった状況下でも、時計ブランドは発信を続けなくてはならない。トップの所信表明からそれぞれの方向性は窺えたが、情報量が少なく、製品プレゼンとしては十分とは言えなかった」と話す。これを補填するため国・地域ごとに実機やサンプルが配られ、タッチ&フィールできる個別セッションも設定されている。
昨年、ドバイのブルガリ リゾートで行われた「LVMH ウォッチ ウィーク」に参加した関口優「ホディンキー・ジャパン」編集長は、「個人的に『ウブロ』の工場は訪れたことがなく、CEO自ら紹介してくれる構成に満足した。ただし、ブースの作り込みなどでブランドの世界観をしっかり見せられるリアルイベントと違い、デジタルで伝えることの難しさもあらためて感じた」と課題についても触れた。