ファッション

気鋭若手アーティスト8人が日本橋で合同作品展 社会のタブーに挑戦する“問題作”が一堂に

 東京を中心に活動する8人の若手アーティストでつくる、“世の中のタブー”をテーマにした合同展示会「ギャラリー オブ タブー(GALLERY OF TABOO)」が2月末まで東京・日本橋で開催されている。

 展示会のテーマは、社会において通常それに触れたり言語化されることのない、通念や深層心理などを作品を通じ表現すること。会場はビルの3層に分かれ、それぞれ「過去を知る」「現在に向き合う」「未来を瞑想する」というさらに細分化したテーマを設定している。

 展示会のキュレーターで、「WWDジャパン」でも活躍するフォトグラファー・小田駿一が出品したのは、おびただしいほどのタトゥーを全身に彫った男女を撮影したポートレート16点。小田は彼らを被写体に選んだ理由について、「(タトゥーが)言葉や文様を体に刻みつけるという、いわば“自分らしさ”の究極的な表現」として強烈なインスピレーションを受けたからだと語る。一方、さまざまなポージングやブレ・歪みなどの撮影手法を駆使することで、人間の葛藤や苦悩、克己などの心理を隠喩。「常に揺るがぬ自分」と「適応するために変わり続ける自分」を使い分けながら社会を生きる、人間のリアルな姿を浮き彫りにすることを目指した。

 神保町の老舗古書店の小宮山書店は、ロープアーティストのhajime kiyokoらにフォーカスし、インスタレーションとともに作品群を展示。過激なエロティックアートやフェティッシュなフォトプリントなど、書店の既成概念を覆すラインアップを並べた。

 出展者の中でも異色と言えるのが“第六感クリエイティブ”を自称するBORING AFTERNOON。展示会場の最上階にはコタツやコンポなどが置かれた憩いのスペースを設置。90年代のJ-POPを流しながら来場者とともにコタツで温まり、気分が向いた時に作りたいものを作る。この空間から生まれる新しい人間関係や思い出までを、“作品”として完成させていくという。

 今回の展示会は、新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しむ地域の飲食店への貢献も目的とし、アート作品の販売収益の半分を日本橋料理飲食業組合などを通じて寄付する。

■Gallery of Taboo
住所:東京都中央区日本橋室町1-5-15 真光ビル3-5F(三越前駅より徒歩3分)
会期:1月14日〜2月28日(休館日なし)
時間:13:00〜20:00
入場料:無料

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