元「メルシーボークー、(MERCIBEAUCOUP,)」デザイナーの宇津木えりが設立した大我は、新たに立ち上げたファッションブランド「エリウツギ(ERIUTSUGI)」のショールームを東京・表参道に1月31日にオープンする。2階にアトリエが入居する建物の1階をショールームとして開き、一般客が自由に来店して商品を試着できる場所となる。商品は受注生産制で、オンラインストアでオーダーを受け付ける。
オープン直後は、シーズンレスでジェンダーレスなウエア14型をそろえる。着物のシルエットからヒントを得たウールジャケット(7万円)をはじめ、袴のようなワイドパンツ(4万8000円)、デニムパンツ(3万~3万6000円)やスカート(2万8000円)、Tシャツ(1万5000~2万5000円)、ストール(2万4000円)など。日本国内の縫製工場で生産し、素材はコットンやウール、シルク、バンブーなどの天然素材を使用しているほか、可能な限り残布を出さないパターンにこだわって裁断している。店頭ですぐ購入できる商品として、フランス語で“熟考する”を意味する“Je reflechis”のロゴを入れたトートバッグ(2200円)とポーチ(3200円)も取り扱う。
宇津木はブランド立ち上げの経緯について「この5~6年、洋服が大量に作られて捨てられていくことを考えたときに、“洋服がよろこぶことをしてあげたい”と思った。それは長く着てもらえる服を作ること。納得して作った『エリウツギ』の定番をここでは見せていきたい」と説明。また「(これまでのファンには)『もっと商品はないの?』『柄や色はないの?』とガッカリされる方もいるかもしれない。テーマ性を持ったモノ作りも魅力的だけれど、それは今、私が心からやりたいことではない。今後の未来のことを熟考したモノ作りの重要性を感じている」と明かした。
ショールームの立地は、表参道ヒルズの裏通りの小道を入った建物の1階。宇津木の30年来の友人であり、スピリチュアリストとして知られる江原啓之が2010年頃から「スピリチュアルワールドショップ」として運営し、所有していた物件を借りる形でオープンした。江原は「えりちゃんとは家族ぐるみで長年親しくしている仲。前の会社を退職したときに『次は心からやりたいことをしたい!』と聞いて、このスペースを使ってほしいと提案した。大家として、楽しいことを思う存分やってほしいし、今後も見守っていきたい」と語る。敷地内には新たなカフェも近日オープンする予定だ。
宇津木は00年、ビギでファッションブランド「フラボア(FRAPBOIS)」を立ち上げたのち、05年にエイ・ネットに入社し、翌年「メルシーボークー、」をスタートさせた。20-21年秋冬シーズンをもって同ブランドは終了し、宇津木もエイ・ネットを退社。20年8月に新会社の大我を、国内デザイナーズブランドや海外ブランドで経験を積んだメンバーとともに設立した。
■「エリウツギ」ショールーム
オープン日:1月31日
住所:東京都渋谷区神宮前4-22-12 1階
時間:12:00〜18:00
定休日:土曜、日曜、祝日