※この記事は2020年12月1日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「サステナビリティ サミット」にCFCL高橋さんをお招きした理由
皆さま、本日12月1日(火)19:00~21:00はどうぞ、「WWDジャパン サステナビリティ サミット」へお越しください。3部構成からなる無料のオンラインイベントです。
イベントで私は冒頭のご挨拶などを担当するのですが、登壇にあたり「何を着よう」と悩みました。サステナビリティに力を入れているブランドから選びたく、「ステラ マッカートニー」は好きだし自慢の一着を持っているけれど、せっかくなら日本のブランドを着たいな、といった具合でこれが結構難しい。カジュアルな服は見つかりますが夜の時間帯にふさわしいある程度フォーマルな印象の服にはなかなか出合えませんでした。
で、とうとう!先週末に駆け込みで出合いました。イベントに登壇いただく高橋悠介さんが手掛ける「CFCL」のドレスです。高橋さんは元「イッセイ ミヤケ メン」のデザイナーで、今年「CFCL」を立ち上げた注目の人物です。写真では2021年春夏にデビューするコレクションを見ていましたが、ショールームで実際に袖を通したら速攻惚れちゃいました。無縫製のニットの服は着ていることを忘れそうになるくらい軽く、ふんわりとした形を維持しつつ柔らかい。しわになりにくく、洗濯機使用がOKという生活者の視点でも嬉しい服です。
今日のイベントに高橋さんに登壇してもらいたいと思ったのは、起業にあたっての考え方がユニークだからです。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたいのですが、
> 高橋悠介が新ブランド「CFCL」で業界の固定観念に挑む 「服で世の中は変えられる」
中でも印象的なのは、米国の民間認証「Bコーポレーション」に申請している点です。「Bコーポレーション」は環境や社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性などについて、規定の基準を満たした企業に認証が与えられます。インタビューで高橋さんは、「取得することでブランド価値を高めたいのではない。従業員の雇用や福利厚生、物作りで排出する産業廃棄物やCO2の量などに対し、最初の段階から向き合うため。それに、透明性が証明されている服を着たいという人が今後は増えていくはずだから」と話しています。
創業から時間が経ち、規模が大きくなった会社がSDGsの観点で組織や事業を変革するのは大変です。高橋さんのように基準をクリアする前提で新しい組織を創る方がある意味ゴールは近いですよね。
サステナブルなファッションを買いたいとか、着たいと思っても「これはサステナブル?」などひとつひとつ吟味するのは疲れちゃいます。「ここから購入すれば間違いなし」な会社やブランドから購入したい、そう思う人は今後増えるのではないでしょうか。少なくともモノグサな私はそうです(笑)。「CFCL」が今進んでいる道は、そんなモノグサな消費者のニーズに応えてくれそうです。
今日のイベントでは、高橋さんには経営とクリエイティブの両面からサステナビリティについてスパイバーの関山さんとともに熱く語っていただく予定です。お楽しみに!
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