ビジネス

2年前から火の車だった「トップショップ」親会社 エディターズレター(2020年12月4日配信分)

※この記事は2020年12月4日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

2年前から火の車だった「トップショップ」親会社

 「トップショップ」擁するアルカディア グループが破産申請です。新型コロナがトドメを刺したというのが正しいところでしょう。18年8月期決算で赤字に転落。昨年の段階で、経営難をオーナーであるフィリップ・グリーン卿の妻が私財を投げうってなんとかしのいでいましたから、正直時間の問題だろうな……と思っていました(1番目の関連記事参照)。

 日本ではラフォーレ原宿が誘致し、その後2008年に同館を運営する森ビル流通システムとJBFパートナーズが合弁会社を作って本格展開。10年に新宿東口に3層の路面店を構えた際には、プレビューでプレスがこぞって買い物を楽しんでしいました。11年に大阪・梅田に開業したルクアも目玉は「トップショップ」導入で、5階に大型店を構えて大いに盛り上がりましたし、実際すごく売れたという話も聞きました。

 でも、その熱狂は長くは続かず、15年に突然店をクローズ。本当に突然で、びっくりしたのを覚えています。路面店はともかく、商業施設内の店も予告なしのクローズでしたから(2番目の関連記事)。

 「トップショップ」は、クリストファー・ケインやジョナサン・アンダーソンら若手英国人デザイナーと協業して彼らをフィーチャーし、ケイト・モスやビヨンセとのコラボなどでも話題を集めました。成功の立役者であるオーナーのグリーン卿は、英国屈指の経営者、大富豪としてもてはやされ、ナイトの称号まで得ましたが(3番目の関連記事)、破綻の原因も同氏に負うところが大きかったようですね……。鋭意まとめておりますので、もう少々お待ちを!

 さて、「トップショップ」(アルカディア)はこれから買い手探しです。具体的な候補企業の名前が挙がってこないところを見ると、難航するのだろうなと思います。

VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。