英投資会社ペルミラ(PERMIRA)傘下のシューズメーカー、ドクターマーチン(DR.MARTENS)は2月3日、ロンドン証券取引所のメイン市場であるプレミアム市場に新規上場(IPO)した。ティッカーシンボルは「DOCS」。新規株は1株あたり3.70ポンド(約529円)で募集し、公募価格を22.7%上回る4.54ポンド(約649円)で初値が付いた。終値は4.45ポンド(約636円)だった。
同社は1月29日に投資家向けに事前取引を開始しており、ペルミラは募集枠の8倍の申込みがあったと発表していた。なお、ペルミラは株式の42.9%を保持する考えを明らかにしている。
ペルミラは2014年1月にグリッグス(Griggs)ファミリーからドクターマーチンを3億ポンド(約429億円)で買収し、過去7年間で製造業を中心とした卸売事業から消費者に重点を置いたデジタル主導のマルチチャネル・ビジネスへと方向転換してきた。
14年以降、ドクターマーチンの売上高は2億9000万ポンド(約298億円)から3倍以上増加して、20年3月期は6億7200万ポンド(約960億円)だった。また、新型コロナウイルスのパンデミックによってオンライン需要が増加したこともあり、20年4〜9月期で見ると、売上高は前年同期比18%増、EBITDAは同30%増だった。従業員数も14年の758人から20年には2288人と3倍に増加している。
ドクターマーチンは1960年に定番モデルの“1460 8ホールブーツ”を発売し、現在60カ国以上で年間1100万足以上を売り上げている。世界全体の靴の市場規模は3410億ポンド(約48兆円)だが、同ブランドの各市場でのマーケットシェアは比較的低く、今後の成長が期待されている。
ペルミラのタラ・アルハデフ(Tara Alhadeff)=パートナーは、「ドクターマーチンは過去7年間で大きな成長を遂げ、世界で最も成功しているブランドの1つになった。人材やeコマースなどのオペレーションに多額の投資を行い、常に消費者とブランドをビジネスの中心に置いてきた。ペルミラはケニー・ウィルソン(Kenny Wilson)=ドクターマーチン最高経営責任者をはじめとした経営陣のサポートを続けていく」とコメントした。