帝人の子会社で繊維部門の中核企業である帝人フロンティアは、日光信二・社長執行役員が退任し、後任に産業資材部門トップの平田恭成・取締役常務執行役員が4月1日付で就任する人事を発表した。日光氏は取締役特別顧問となる。
平田新社長は1962年2月17日生まれで、広島県出身。85年、神戸大学農学部卒業後、日商岩井に入社。2005年、NI帝人商事繊維資材本部繊維資材第二部長。13年、帝人フロンティア繊維資材本部繊維資材第二部長。19年、取締役執行役員産業資材部門長。20年、取締役常務執行役員産業資材部門長を歴任した。高校時代は野球選手で、現在は広島東洋カープファン。
オンライン会見に臨んだ平田氏は、「1月中旬に内示を受け、不安はあったが新しいことに挑戦したいと思って引き受けた。まず取り組みたいことは、4月に2年目を迎える中期経営計画の推進、環境配慮型の事業運営、企業風土の醸成だ」と抱負を語った。
日光氏は退任について、「社長業を任期満了となる丸6年間勤め、1つの区切りだと思っている。やり残したことを言えば切りがないが、それは後任に託したい」と話した。平田氏については、「穏やかで安心感があり、厳しい状況でも冷静に受け止める度量がある。きっとさまざまプロジェクトを積極的に推進してくれると思う」と期待を示した。平田氏が好きな言葉として挙げた“疾風に勁草を知る”が、その人柄を表しているようだ。
ファッション分野における戦略については、「私は産業資材分野出身なのでファッション事業に携わったことがなく、現時点で詳細なイメージを持っていないが、当社の環境戦略『シンク エコ』を軸に新時代に対応した環境に優しい素材や製品の開発を目指したい」と語った。