地元のヘアサロンでワンストップ
リンクの1本目で紹介する、「パンテーン」の“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”(完全版)をダウンロードして、一通りを拝見させていただきました。事前のワークショップでLGBTQ+から募った意見をしっかり反映しながら、読みやすく、責めるわけでもなく、LGBTQ+フレンドリーなヘアサロンへの転換を促しています。
同じゲイとして、マニュアル内の「当事者の声」は、「あるある」と思いながら楽しく(!?)読みました。「『彼女の話』を振られるのがめんどくさいから、寝たフリ」は、ドンズバ全く同じ経験を面倒に感じたのを覚えています。あれ以来ヘアサロンでは、予約の時に「なるべく無口な方にお願いしたいんですが……」とナゾなリクエストをしてしまったり、時間が潰せそうで話かけづらそうな「日本経済新聞」や「週刊文春」を読むようになったり、一時期ヘンテコな感じになりました(笑)。それでも店販のシャンプーを買おうとすると勝手にメンズ用を持ってこられてしまったり(どうせなら選びたいのです)、そのメンズ用が真っ黒のボトルだったり(メンズ=黒じゃなくて良いと思うんです。ダメですか?)、ちょっとした瞬間に「居心地の悪さ」とまではいきませんが、「痒いところに手が届かなかった」感は覚えたものです。
で結局、地元・横浜の、各駅停車しか停まらない小さな街のヘアサロンに通うようになって、もうすぐ10年です。地元だからと言ってカミングアウトしているワケではありませんが、来店時はもちろん、日常生活でも度々見かけて挨拶するくらいの間柄なので、なんとなく“察する”ところがあるのかもしれません。雑誌はオール電子版になってタブレットを手渡されるだけになったので、男性誌でも女性誌でも好きなモノが選べます。こんな外見のせいか(!?)、店内でネイルをお願いしても「やっぱ派手な色、似合いますね~」とか、「俺も挑戦したいんすよ」なんて反応を寄せてくれるので快適です。ヘアサロン専売品メーカーのトップが口を揃える「ヘアサロンは、一番身近なビューティ・コンサルタント」という言葉を「あぁ、ホントだなぁ」と実感しています。
リンク2本目の記事は、他人にはなかなか言いづらい悩みがワンストップで解決できるかもしれないクリニックの話です。悩みを打ち明ける回数が減るって、心的ストレスが軽減しますね。髪の毛はもちろん、最近はネイルを含め心地よいサービスが受けられる地元のヘアサロンは、僕にとってのワンストップ・ステーション。「WWDジャパン」のヘア担当は、「サロンスタイリストは、メイクも提案できるようになるべきだ!」との持論を長年温め続けています。彼のアイデアが実現すれば、ますます「ヘアサロンは、一番身近なビューティ・コンサルタント」に近づくでしょう。
アパレルのリアルブティックも、同じような役割を模索できるのではないでしょうか?洋服にまつわる、自己実現に関するワンストップ・ステーションになれるのでは?その答えは、リペアやリメイクまでを含む洋服のワンストップ・ステーションから、ビューティや食と融合した自己実現のワンストップ・ステーションまで、イロイロありそうです。
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