「ロシャス(ROCHAS)」のクリエイティブ・ディレクターに、24歳のシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)が就任した。同氏による初コレクションは2022年春夏シーズンの予定だ。アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)前ウィメンズ・クリエイティブ・ディレクターは、20年2月のコレクション発表を最後に退任した。
ヴィルモラン新「ロシャス」クリエイティブ・ディレクターは、19年にサンディカ・パリクチュール校(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)を卒業。卒業制作コレクションが支援者に売れたことから、その資金を元手にロックダウン中の20年4月にブランドをスタート。仏芸術家のニキ・ド・サンファル(Niki de Saint Phalle)に着想を得た、パッチワークが特徴の鮮やかなボマージャケットをそろえた。
9月に初めてのカプセルコレクションを発表し、11月には「グッチ(GUCCI)」が短編映画を通して最新コレクションを発表する「グッチフェスト(GUCCI FEST)」に参加した。「グッチ」のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが選んだ15人の若手デザイナーの1人で、ファースト・コレクションに新作を数点加えて、ショートフィルムを通して披露した。初めてファッション・ウイークに参加したのは、21年春夏オートクチュール・ファッション・ウイーク(1月25〜28日)。色鮮やかな絵画のようなデザインが特徴だ。
同氏の大叔母であるフランスの小説家ルイーズ・ド・ヴィルモラン(Louise de Vilmorin)が「ロシャス」創設者の妻、エレーヌ・ロシャス(Helene Rochas)と親交があったことから幼い頃から同ブランドに精通していたという。就任に際して、「『ロシャス』は家族との深い絆やブランドの持つヘリテージによって、心の中で特別な位置にあるブランド。とても魅力的で、刺激的だ。この美しいメゾンのコードを再解釈するのが楽しみだ。前からずっとやりたいと感じていたことで、準備も整った。夢が叶ったようだ。今は自分のブランドを一人で運営しているが、もっと人手を増やして展開していく」と述べた。
「ロシャス」の親会社である仏フレグランス大手インターパルファム(INTER PARFUMS SA)のフィリップ・ベナサン(Philippe Benacin)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「『ロシャス』のレガシーの根底には、大胆さ、エレガンス、“変わらないこと”、オリジナリティーがある。これらはシャルルの作品を表すのにもぴったりの言葉で、われわれと彼の間にシナジーを生んでいる。彼の若さや才能、ワイルドな作風は『ロシャス』に新しい息を吹き込むだろう。ブランドの新時代をシャルルと共に築けることを光栄に思う」と語った。
インターパルファムは、HIM Co SpA(旧オンワードラグジュアリーグループ)と「ロシャス」ウィメンズウエアのライセンス契約を延長し、引き続きファッション事業に取り組む。