※この記事は2020年12月15日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
ファッションとゲームが急接近。「バレンシアガ」のゲームをやってみた。
10月にパリコレを取材している頃から「ファッションショーとゲームの融合」は弊社で話題になっていました。なぜならデジタル上で最新コレクションを発表することが当たり前になった今、成功に欠かせない要素は視聴者が時間を忘れていかにその世界に“没入”できるかだから。没入を促すためにもファッションショーのパートナーとしてゲームのサイバー空間は最適だよね、と言うわけです。若い世代に認知を広げたいならなおさらです。
ゲーム体験はプレステのドラクエで止まっている私もやってみました。仮想空間の「バレンシアガ」の店内や人影まばらなNYの街に侵入し、壁にぶつかったり後退したりしながら、最後は結構スムースにウサギを追いかけて森の中を駆け抜け、冒険を終えて息を整えてスッキリ。記事にもあるように、あちらこちらに新作を着たモデルが立っており、彼らに話しかけたら道を教えてくれたり、宝のありかを教えてくれたらもっと面白いね、など欲は出ますが、これが新作発表のために作ったものと考えると単純に、投資した時間と資金に驚かされます。
話は少し変るようでつながるのですが先週土曜日、心斎橋パルコの開業記念として宇川直広さんが主宰するライブストリーミングチャンネル「ドミューン」に出演し、「FASHION NEW NORMAL ~ニューノーマルにおけるファッションのデジタルとの横断、フィジカリティーの復権~」と難しいお題で宇川さんと「ファセッタズム」のデザイナー、落合宏理さんとトークをしました。2時間たっぷり。これが超楽しく、ファッション映像の世界がいかに黎明期であるかを知りました。
その場でも「バレンシアガ」の話題で盛り上がりつつ、もう一つ盛り上がったのがスケートや音楽の映像が今後ファッションと近づきそうだ、と言うこと。さすが音楽と映像を知り尽くす宇川さん、「スケート(スケボー)映像は様式美」「ダンスミュージックの4つ打ちは心臓の鼓動」など名言のオンパレードでそれを語ると雑誌一冊分のスペースが必要なのですが、とにかくスケートカルチャーや音楽シーンのようにファッションよりも映像表現が進化した分野とファッションの関係性は今後どっぷり深くなると痛感しました。
トークが終わって、落合さんが「これオススメ」と教えてくれたのは、「Girl & Chocolate Skateboards Pretty Sweet 2012」と言う映像。「スケート映像は様式美」の意味を理解できるし、今後のファッション表現の参考になりそうです。お酒を飲みながら楽しめますのでよかったらYouTubeで検索してみてください。
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