※この記事は2020年11月16日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
着てない時の「エフォートレス」ってナンダ?
先日、とあるMTGで「エフォートレスなブランド」ってなんだろう?という話になりました。「今さら?」ですか(笑)?もちろん、オーバーサイズのリラックスシルエットなどは、すぐに思い浮かびます。でも「エフォートレス」って、それだけでしょうか?「エフォートレス」の正解って、サイズや軽さだけなのでしょうか?そんな話になったのです。
例えば私にとって、「ユニクロ」のエクストラファインコットンシャツは、めちゃくちゃ「エフォートレス」です。理由は、シワができにくいから。肌触りも心地良く、それはそれで十分「エフォートレス」ですが、私にとっては「お手入れ簡単」という意味での「エフォートレス」の方が大きな価値を持っています。タイトシルエットでも、十分「エフォートレス」です。
イッセイ ミヤケのいろんなシリーズ、特に「プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ」や「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」はどうでしょうか?伸縮自在で「エフォートレス」、お手入れ簡単で「エフォートレス」ですが、収納ラクチンで「エフォートレス」でもあります。ファッション・アディクトゆえクローゼットは常に“おしくらまんじゅう”状態で、最近は新しい洋服を買うとき必ず「収納できるかしら?」と考えます。そんなときイッセイ ミヤケの洋服は、丸めてカゴにポンとできるからありがたいのです(笑)。「A-POC」なんて、朝刊並みの薄さまで折りたためますからね。オーバーサイズで「エフォートレス」な洋服が増えることで逼迫してきたクローゼット事情に対して、イッセイ ミヤケのそれは収納においても「エフォートレス」を提供してくれるから触手が伸びがちです。2021年春夏コレクションを紹介するムービー(リンク1本目からどうぞ!!)は終盤、収納も「エフォートレス」なブランドの特徴を愛らしく、そして、「旅」が制限されている今見ると懐かしかったり反対に将来を夢見せてくれたりする形で表現しています。
と、「エフォートレス」とは単純に「ラクに着られる」とか「着心地が良い」だけじゃない気がするのです。例えば、「店内・室内に入って脱いだとき、近くに置いておくのにラクな洋服」とかも「エフォートレス」ですよねぇ。どんな洋服か想像できていませんけれど(苦笑)。ジュエリーだったら、「なくしたときに、探しやすい」も「エフォートレス」にならないでしょうか?結構思い切って買ったアクセサリー、特にピアスは常々「ちゃんと耳元にある?」と意識しており、ごくごく薄~いストレスを感じ続けているとも言えます。ここにICチップとかを搭載できて、「あ、なくした!スマホで探そう」とかが出来たら、ストレスから幾ばくかは解放されそうな気がするのですが……。などなど最近は、着てない・身につけていない時の「エフォートレス」に思いを馳せております。
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