ファッション

“スーツに見える作業着”がブランド刷新、目指すは「上場&5年後100億円」

 スーツに見える作業着として知られる「ワークウエアスーツ(WORKWEAR SUIT)」は、ブランド名「WWS(ダブリューダブリューエス)」に変え、ロゴも刷新する。今年度から積極的に出店も開始し、2025年2月期までに15店舗・売上高100億円を目指す。「WWS」に加え、タピオカミルクティーカフェの「春水堂」などを運営する関谷有三オアシスライフスタイルグループ(以下オアシス社)代表取締役は「『WWS』が目指すのは、アパレル界のアップル。スーツであり、作業着であり、普段着という、ニューノーマル時代の唯一無二の“ボーダレスウエア”。馬鹿だと言われるかもしれないが、5年後をめどに上場も視野に入れながらまずは時価総額1000億円、いずれは1兆円を目指したい」と意気込む。

 新ロゴなどのブランディング全般を監修するのは、サントリーやとらやの広告で知られるアートディレクターの葛西薫。「引き受けるかどうかは実は決めていなかったが、初めて会ったときに、(「WWS」に対して)新しい服のカテゴリーを作るという社会性と非常に明晰でロジカルな説明が、真っ直ぐな思いと言葉とともに伝わってきた」と振り返る。

 葛西氏に関谷代表を紹介したのは、ユナイテッドアローズの創業者の重松理名誉会長で、現在はオアシス社の顧問を務めている。重松氏は「スーツでありながら作業着というコンセプトも良かったが、始めてみたときから、オアシス社が独自に開発した素材の良さに惚れ込んだ」という。

 「WWS」は現在、オアシス社の子会社のオアシススタイルウェアが運営し、現在の直営店は東京・八重洲の地下街に1店舗のみで、他は850社がユニフォームとして採用し、「417エディフィス」やシップスなどとコラボレーションし、セレクトショップや百貨店で販売している。今年3月に阪急西宮ガーデンズに出店するのを皮切りに24年2月期までに主要都市に15店舗を出店する。ユナイテッドアローズとはオールハンドメイドのフルオーダースーツLINE「ユナイテッドアローズ コルー」ラインをスタートする。「リアル店舗は、顧客が製品に実際に触れられるタッチポイントで、実際にはECで買ってもらうという考え方。5年後の売り上げ100億円のうち5割はECと考えている」と関谷オアシス社代表。

 ブランドの顔となるブランドアンバサダーには100メートルハードル女子の日本記録保持者で、ママアスリートとしても知られるアスリートの寺田明日香さんを起用する。寺田さんは「もともと講演会などで着用していたことがきっかけで、アンバサダーの話もいただいた。初めて着たときから、動きやすさにびっくりして『これならハードルも飛べる』と思った」と語り、記者会見では実際に猛スピードでハードルを飛び越えながら登場して、会場をどよめかせた。

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