ファッション
連載 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.4 私が“サステナブルになった”理由【中編】

先週に引き続き、私が手掛けるブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS=以下、PMD)」が、“サステナブルなブランド”に行き着いた経緯のお話。

私がサステナブルな思考になった3つの理由
1 お金がなかった
2 もともと過剰包装が大嫌い
3 これしかなかった

と、中でも3つ目の理由「これしかなかった」については前回お話ししたので、今回は「お金がなかった」のお話。これは、私のモノづくりへの姿勢に影響している。

1型の白いTシャツから始まった小さなブランド「PMD」は、当初資金が本当になかった。でも、SDGsの“限りある資源を有効に使う”というテーマと、私自身の“限りある財力を有効に使う”という状況は、今思えばマッチしていた。そしてTシャツ1型からスタートしたからこそ、さまざまなことに気がついた。

公式サイトなどで初めて販売したTシャツは、100枚ほど売れた。その後、数社から卸のオファーをいただいたことがきっかけで2017年8月20日から約1カ月間、“日本のものづくりとファッション”をテーマに全国を巡る「オールレディ フェイマス ツアー 17(ALREADY FAMOUS TOUR 17)」を敢行した。「PMD」のチームと共に全国15都市のセレクトショップや生産工場をファッションバスで移動しながら行う、トークショーや販売会だ。

ツアーでは、北は青森から南は鹿児島まで約20カ所を回り、たくさんのお客さまが足を運んでくれた。当時はスーパーでも卵や野菜に生産者の写真を添えるなど、“作り手が見える”PRが広がり始めていた。消費者の作り手を知りたい気持ちはよく分かる。それなら、作り手もどんな消費者に求められているのか知らなくてはいけない。お客さまとの交流も目的だった。

また、電話1本、メール1通で物事が解決してしまう世の中だからこそ、生産現場の方々に直接お会いして、洋服がどんな現場で作られているのかを見て、チーム全員で感情を共有することで、より良い関係性を築きたかった。

そして、この考え方こそが、“持続可能性のある(サステナブルな)モノづくり”――言い換えれば、“愛あるモノづくり”こそがサステナブルの第一歩なのだと理解した。

愛なしでは持続不可能なことってあるでしょ?そんな感じ(笑)。

次週、
もともと過剰包装が大嫌い
へつづく……

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