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第二の“新富裕層”は、何を求める⁉︎ エディターズレター(2021年2月22日配信分)

※この記事は2021年02月22日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

第二の“新富裕層”は、何を求める⁉︎

 本日発売の「WWDジャパン」は、毎シーズン恒例の「売れたもの特集」です。紙面ではリンク1本目の通り、興味はファッションにとどまらない“新富裕層”の存在にクローズアップしていますが、私、そういう人を何人か存じています。例えば、リンク2本目の記事に登場するGOという会社の三浦さんは、私が知る限り“新富裕層”です。先日も「グッチ」で、“ドラえもんコラボ”買ってたもんね(笑)!

 正直、“新富裕層”は大別すると2つのグループになるのだと思っています。1つ目のグループは、いわゆる「ええトコの子」。そして2つ目のグループは、「社会をイノベーティブに動かしているからこそ、対価をキチンといただいている人」。三浦さんは、後者です。

 後者は、「誇示できるもの」が欲しい人たちではありません(イマドキ、その傾向は前者でも薄れつつあると思いますが)。求めるのは、「愛せるもの」「共感できるもの」そして「根っからのファッション好きじゃなかった、自分を受け入れてくれるブランドのもの」。そんな気がしています。またしても三浦さんを具体例に挙げて恐縮ですが、2年半ほど前、初めて出会った三浦さんは「ルイ・ヴィトン」がお好きでした。「ルイ・ヴィトン」のスマートウオッチ“タンブール ホライゾン”(第一世代)を共に所有し、話が盛り上がったのを覚えています。すでにスマートウオッチは世の中に溢れていましたが、この“タンブール ホライゾン”は、「ルイ・ヴィトン」が発行してきたシティガイドの情報を搭載。文字盤上でオススメの観光名所やレストランの情報が読めるし、GPS機能を用いれば近くの観光名所やオープンしているレストランやバーを知ることができるのです!搭乗するフライトの詳報や、搭乗までの時間と空港でのゲート番号、遅延情報などが文字盤上で確認できる「マイフライト」機能も搭載されています。三浦さんも僕も「なんて『ルイ・ヴィトン』らしいんだ!」と「共感した」のです。「共感した」のは、マニアックなこだわりや、ファッションオタクじゃなければ気づけないウンチクではありません。誰もが共感できる、ステキなストーリーです。それは「根っからのファッション好きじゃなかった」(と思われる)三浦さんの琴線に触れたのだと思います。

 ただこの“タンブール ホライゾン”(第一世代)、なかなか思い通りに動いてくれない“手のかかる子”なんです(苦笑)。時には同期さえ難しいし、上述の「マイフライト」機能は当時、日本航空の飛行機は対象外でした(苦笑)。でも私同様、三浦さんは、そんな“タンブール ホライゾン”がかわいくて仕方なかった様子(笑)。「コイツ、しょうもないんですよ」と言いながら、当時はずっと身につけていらっしゃいました。「愛していた」のだと思います。

 ずっと三浦さんの話をしてしまいましたが、私が知っている限り、2つ目のグループの“新富裕層”は、こんなマインドを有していると思います。移りゆくトレンドはよく分からないけれど(正直、半年おきに変わってしまうトレンドには興味がない人たちです)、どうせ買うなら共感できて、長く愛せる一着をと考え「ザ・イノウエ・ブラザーズ」のニットを着ていたタクラムの渡邉康太郎さんも、「愛せるもの」「共感できるもの」「根っからのファッション好きじゃなかった自分を受け入れてくれるブランドのもの」を求めていた気がします。彼らにリーチするには、提案する商品も、伝え方も、出迎え方も変わりそうですね。

 彼らのマインドについては、2年半前に特集した「越境系クリエイター」特集をご覧ください。とっても良い特集だと自負しているのですが、当時は、社内外で反響がイマイチでした(笑)。でも、今なお面白い特集だと自負しています!

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