日本の眼鏡産業の祖として100年以上の歴史を持つ増永眼鏡は、デザインディレクターの川崎和男との協業による眼鏡ブランド「カズオカワサキ アクト(Kazuo Kawasaki ACT)」を発表した。
大きな特徴は、人間工学に基づく眼鏡フレームの掛け心地だ。流線型のテンプル(つる)は弾性が高いベータチタン素材を使用し、掛けたときにバネの部分に力を分散して頭部を優しく包み込む。レンズを保持するリム(縁)は正面の厚みを0.7mmとして軽さを出しつつ、奥行きは3mmの寸法を持たせてフロント全体の変形を抑える。アーチ型の鼻パッドのアームとブリッジを一体構造とすることで、快適なフィット感を追求。「ニンゲンノメガネ」という考え方をベースに、人間工学や自然界、テクノロジー、変容をキーワードとして設定。ディテールにこだわったミニマルなデザインと高い機能性は、誰にでも掛けやすく親近感のある存在にしたいという思いの表れだ。
「カズオカワサキ アクト」のファーストコレクションは5型で、価格は3万5000円。東京・青山のマスナガ1905など増永眼鏡の直営店6店舗と全国21の眼鏡店において先行販売中で、4月に本格ローンチする。
増永眼鏡は、1905年に増永五左衛門が大阪から福井県に眼鏡職人を招へいし、福井県で地場産業を築くために創業された。熟練の眼鏡職人による高い技術力が評判を呼び、昭和天皇に献上されたほか、皇太子ご夫妻(現上皇上皇后両陛下)、吉田茂元首相らが同社を訪れたほどで、伝統の技術開発力はイノベーションを重ねながら今に受け継がれている。
川崎和男は、1949年福井県生まれ。デザインディレクターとしてインダストリアルデザインをはじめコンピュータ、ロボット、人工臓器、伝統工芸などデザイン対象は幅広く、現在、大阪大学と名古屋大学の名誉教授を務め、医学博士の学位も持つ。増永眼鏡とは、1991年から眼鏡ブランドを手掛けており、「カズオカワサキ アクト」は約30年に及ぶパートナーシップの進化形だ。
増永眼鏡
03-3403-1918