ドイツのラグジュアリーアクセサリーブランド「モンブラン(MONTBLANC)」は、新クリエイティブ・ディレクターにマルコ・トマセッタ(Marco Tomasetta)を3月1日付で任命した。2013年に就任したザイム・カマル(Zaim Kamal)=クリエイティブ・ディレクターの後任だ。トマセッタ新クリエイティブ・ディレクターが手掛ける初めてのアイテムは、21年末に登場予定だ。
トマセッタ新クリエイティブ・ディレクターは、ミラノのヨーロッパ・デザイン学院を卒業。直近では「ジバンシィ(GIVENCHY)」のメンズ・ウィメンズのレザーグッズのデザインを手掛け、それまでも「プラダ(PRADA)」「クロエ(CHLOE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」で経験を積んだレザーグッズのベテランだ。今後パリを拠点にドイツ・ハンブルグの筆記用具、スイス・ヴィレルとル・ロックルの時計、イタリア・フィレンツェのレザーグッズのデザインチームを統括する。
就任に際して、「豊かなヘリテージと製品デザインを持つ『モンブラン』のチームに加わることにワクワクしている。書くことと“描くこと”は、あらゆるデザインプロセスの出発点だ。伝統と最新のデザインを融合する『モンブラン』に惹かれた」とコメントした。
モンブラン インターナショナルのニコラ・バレツキー(Nicolas Baretzki)最高経営責任者(CEO)は「マルコ新クリエイティブ・ディレクターのリーダーシップとビジョンで、ブランドが提案する“ラグジュアリービジネス”ライフスタイルを牽引していくことに期待している。彼は繊細かつダイナミックなイノベーターで、『モンブラン』のアイデンティティの中心にあるクラフツマンシップと、時代を超越したデザインを手掛ける人物だ。われわれのブランドテーマを活かし、チームを統括していくことを楽しみにしている」と述べた。
バレツキーCEOはまた、これからはレザーグッズがブランドの要となってブランドを牽引していくと分析する。「現在、われわれの顧客層は大半が女性で構成されている。自分のためだけでなく、プレゼントとして購入する人も多い」と言い、トマセッタ新クリエイティブ・ディレクターのウィメンズとメンズにおける多彩な経験に期待を寄せている。
「モンブラン」は1906年創業。「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」を擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)傘下。高級筆記用具に加えて、サングラスやフレグランス、ジュエリー、ベルトなどを手掛け、ヨーロッパやアジア、アメリカにわたって300店舗を構える。
20年には新型コロナのパンデミックが小売業界全体への打撃となったが、中国の最大手EC企業アリババ(ALIBABA)が運営するECサイト「Tモール(T MALL)」へ出店するなど、ブランドの業績はECを強みに回復傾向にあるという。