ファッション

「バーバリー」が注目する日本人メンズモデルのノゾム 釣りやバイクを楽しむ27歳

 「バーバリー(BURBERRY)」のファッションショーや広告モデルに日本人メンズモデルのノゾム(Nozomu)が抜擢された。ブランドのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)はノゾムを「エレガントな日本文化を表現するような存在で、未来的なルックスを持ち合わせている。物静かで知的で、非常にスタイリッシュであり、自分の健康と体をきちんと管理している。それはとても重要なことだと思う」と称える。
 
 191cmの長身にスキンヘッド、ワイルドな顔立ちが特徴のノゾムは27歳。高校時代から始めたモデルのキャリアは11年目で、常に完璧な姿で仕事に取り組むために日々のトレーニングに励むほどプロ意識が高い。映画の出演経験もあるという彼はどんな人物なのか?「バーバリー」の2021-22年秋冬メンズ・コレクションの撮影を終えたノゾムの素顔に迫る。

WWD:モデルになったきっかけは?

ノゾム:高校1年生のときに渋谷の西武渋谷店の前でスカウトされて、東京のメンズブランド「ディスカバード(DISCOVERED)」のファッションショーに出たことがきっかけでした。そのオーディション会場で今所属する事務所(イマージュ)の社長に出会い、それからパリやニューヨーク、ミラノのファッション・ウイークに挑戦しました。

WWD:「バーバリー」との仕事の始まりは?

ノゾム:ファッションショーのオーディションを受けたのが始まりです。初めはショーモデルには起用されませんでしたが、20年プレ・スプリング(リゾート)のルックブック撮影に声を掛けてもらえました。翌シーズンの20年春夏にはショーに出演できることになり、とても緊張したのを覚えています。

「バーバリー」の完璧な職人技に感銘を受ける

WWD:「バーバリー」のモノ作りをどう見ている?

ノゾム:実は祖父が仕立屋で、僕も幼い頃からファッションの仕事に就きたいと思っていました。「バーバリー」のフィッティングにはコートやシューズなどアイテムごとに担当者がいて、数ミリ単位の細かな修正をして、ベストの状態で撮影本番当日を迎えます。その完璧な職人技に感銘を受けました。リカルドが就任してからは、自然をリスペクトするデザインやアニマルモチーフが増えていて、遊び心を感じます。21-22年秋冬コレクションでもウサギの耳がついたフードがあって、見ていて楽しい服がそろっていました。

WWD:リカルド・ティッシと仕事をした感想は?

ノゾム:リカルドは会うたびに「元気?」と日本語で声を掛けてくれ、とてもフレンドリーな方です。他ブランドのバックステージではピリピリした緊張感を感じることもありますが、「バーバリー」では、リカルドがムードメーカーとなって皆が楽しく仕事をすることができています。

WWD:モデルとして心がけていることは?

ノゾム:365日いつ仕事が入っても出られるように、プロフィールに記載のある体型を維持することです。急に「明日のフライトでロンドンに来て」と言われることもあるので、常にボディーラインを崩さず、健康管理をすることも大事です。普段からジムでウエイトトレーニングをして、高たんぱく質の食事を摂り、4時間ごとにプロテインを飲むようにしています。

WWD:トレードマークのスキンヘッドはいつから?

ノゾム:もともとマッシュヘアだったんですが、映画「デメキン」への出演が決まり、金髪のモヒカンにすることになったんです。撮影後に髪型をどうするか悩んで、結局剃ってからはもう戻れなくて(笑)。当時はアジア系メンズモデルはボウズが多かったんですが、僕はあえてスキンヘッドでいこうと思いました。その後「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」の広告に起用され、今こうして「バーバリー」で仕事ができているのも、スキンヘッドにしたことがきっかけだと思いますね。

モデルの仕事は“諦めないこと”が大事

WWD:趣味や興味のあることは?

ノゾム:趣味は魚釣りです。バイクも好きで、3台持っています。今はすぐに海外へいけるよう成田空港に近い千葉県内に住んでいます。休みがあればバイクいじりをしてから、魚釣りに行きます。釣った魚は晩ご飯にすることもあります。

WWD:モデルを志す人にアドバイスをするとしたら?

ノゾム:諦めないことです。オーディションに行っても仕事が得られずに、ショックを受けることは多々あります。海外に挑戦して、ファーストシーズンでブレイクできる人もいれば、できない人もいる。1回目がダメでも、2回目、3回目とチャンスがあるので、めげずに続けることが大事だと思いますね。

WWD:今後の目標は?
ノゾム:世界中のさまざまなブランドのショーにもっと出演したいです。モデルを始めたときに雑誌で見かけた「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のショーに憧れてきたんですが、ラストショーとなった20年春夏オートクチュール・コレクションで歩くことができました。また「バーバリー」では表参道駅全体に僕が出ている広告が掲載され、モデルとしての何かを成し遂げた実感がありました。夢は叶いましたが、今後もブランドの大小を問わずにモデルの仕事を続けていきたいです。

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