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これぞ究極の顧客中心主義? エディターズレター(2021年2月25日配信分)

※この記事は2021年02月25日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

これぞ究極の顧客中心主義?

 コロナ禍で小売り企業がこぞってデジタル化に力を入れる中、「おぉ、やるねぇ!」と思ったのが「ルイ・ヴィトン」のトレーラーが自宅にやってくるサービスです。

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 日本では百貨店に外商がありますし、移動販売自体も新しくはないですが、今回の試みはトレーラーがショップになっていて、お店ごと自宅にやってくるというところがミソ。コロナ禍で移動も制限され、パリやほかの都市へのツアーにも招待もできず、来店すらも望めないのであれば、店が顧客の元へ行けばいいという発想--メンズコレクションを世界各地巡回しながらアップデートしていく形式で発表するという試みにも「へー、さすが!」と思いましたが、「ルイ・ヴィトン」流の顧客中心主義はなかなか筋金入りですね。

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 ラグジュアリーなサービスって、オンラインやバーチャルでできることはまだまだ限られていて、今のところリアルにはかなわないのではないでしょうか。富裕層にとって、“買い物はエンターテインメント”という人も少なくないでしょう。そういう意味でもこのモバイルショップは欲求を満たすだろうと思います。何しろ珍しい。

 密を防げるだけでなく、空間ごと運んでくることで、より質の高いサービスが可能でしょう。スペシャルな演出もいろいろできそうですし、これは定着するのではないでしょうか。

 “旅”がコンセプトのブランドが、コロナ禍によって“旅”に出ることに。発想の転換が軽やかですね。ちょっと面白いなと思いました。

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