ファッション
連載 不易と流行のあいだ

菅付雅信連載「不易と流行のあいだ」 セカンドハンドがファーストプレイスになるとき

有料会員限定記事

 ファッションという「今」にのみフォーカスする産業を歴史の文脈で捉え直す新連載。35回目は盛り上がるセカンドハンズの行方を考察する。編集協力:MATHEUS KATAYAMA (W)(この記事はWWDジャパン2021年2月15・22日号からの抜粋です)

 私が住む下北沢には、ラグジュアリーブランドの店はほぼ皆無だが、古着、古本、中古レコードの店は至る所にある大セカンドハンドタウンだ。地元を歩いていると、コロナ禍にも関わらず新しい店が続々と誕生しており、その多くがセカンドハンドの店。この街ではセカンドハンドがメインだ。

 セカンドハンドが好調なのは日本だけではない。海外では米国最大の百貨店「ノードストローム」がニューヨークのウィメンズ館で「SEE YOU TOMORROW」という名のリセール(中古再販)売り場を2020年1月31日にオープンしたことが世界的に話題になった。

 「WWDJAPAN.com」20年2月29日の記事「日本の百貨店もリセールをする時代がくる? EC化率30%のノードストロームに見る“百貨店の未来”」 でも既に取り上げられているように、百貨店がリセールをする時代はもう訪れている。日本でも19年4月に高級ブランドのリセールサイト「リクロ」が実店舗を伊勢丹新宿本店と三越銀座店にオープンした。百貨店は新品だけを売るというのは過去の話になりつつあるのだ。

 ここでセカンドハンド/リセールの市場を見てみよう。矢野経済研究所の調査によると、19年の国内ファッションリユース市場規模は前年比16.1%増の7200億円、22年の国内ファッションリユース市場は小売金額ベースで、9900億円になると予測する。急成長であり、現在のゴールドラッシュと言っていい。市場を大きく押し上げているのは、フリマアプリの存在だ。ネット販売のCtoCでは、35.6%増の6905億円に拡大。ネット販売全体では、1兆222億円とリアルの市場を初めて上回った。

この続きを読むには…
残り2365⽂字, 画像4枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。