ファッション
連載 You’d Better Be Handsome

まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド 大混雑のセレブビューティ市場

The crowded market of celebrity beauty brands

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第17回。“You’d Better Be Handsome”では、セレブ情報に敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。JLOとセレーナ・ゴメスの参入で、益々混み合うセレブリティによるビューティ市場について。水面下で準備中のブランドも多々あり。

スティービー:毎日寒くて気が滅入りそうになるけど、二人とも元気?

メイ:1月も年始からいろいろあったね。2021年になってすでに数カ月経ったかのような疲れを感じている。

レイチェル:そろそろステイホームも1年だし。あれこれ工夫するのにも飽きてきた。着飾って出掛けたいけど、行く場所もないし。

スティービー:そう言えば大統領就任式で、詩を読み上げて一躍スターになったアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)と、カマラ・ハリス副大統領の継娘でパーソンズ・スクール・オブ・デザイン(Parsons School of Design)の4年生エラ・エムホフ(Ella Emhoff)を、モデル事務所のIMGモデルズが就任式直後に契約したね。

メイ:ルックスで言うと二人とも個性派。でも着こなしにスタイルがあって印象的だった。エラは「ミュウミュウ(MIU MIU)」のコートに、「バットシェバ(BATSHEVA)」のドレス、アマンダが着ていたイエローのジャケットは「プラダ(PRADA)」だったらしい。

レイチェル:アマンダはハーバード出身の将来政治家志望。エラは根っからのアーティストで、これまでのファーストファミリー、いやセカンドファミリーにはいなかったキャラ。早速この間、「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」のデジタルショーでランウエイデビューを果たした。バイデン大統領の孫、ナタリーもまるで若き日のジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)。「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」あたりから声がかかるか日も近い?

スティービー:エマのお兄さん、コール・エムホフ(Cole Emhoff)にはモデルエージェンシーから声が掛からなかったのかな?好青年なルックスだったけど。

メイ:このご時勢、見た目で判断するのはどうかと思うけど、父親同様弁護士とかなのかなーと勝手に思っていたら、映画プロデューサーの母親の影響か、大学卒業後は大手タレントエージェンシーWMEに勤め、現在は「プランB(PLAN B)」で働いているとか。

レイチェル:ブラッド・ピット(Brad Pitt)の製作会社よね?どんなことしているんだろう。どちらにしても、父親の再婚で人生ここまで変わる人たちも珍しいかも?

大統領就任式でもアピール?
2大セレブビューティブランド対決

スティービー:大統領就任式では、「シャネル(CHANEL)」の白いジャケットスーツに身を包んで歌ったJLOことジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)が新年早々、ビューティブランド「ジェイロービューティー(JLO BEAUTY)」を発売したよね?

メイ:“Beauty has no expiration date(美には消費期限がない)”っていうあれね。いくつになっても現役でいなくちゃね、っていうこと?

レイチェル:現在51歳のJLOだけど、1年前のスーパーボールのダンスとハイレグルックで、現役感を見せつけてくれたからね。今思えば、あれはロックダウンになる前の最後の晩餐だったのかも。

スティービー:そういえばセレブビューティブランド発案者のもう一人、レディー・ガガ(Lady Gaga)も大統領就任式で歌っていた。なにか関係あるのかな。

レイチェル:ガガのドレスは、「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」だったらしい。よく似合っていた。

メイ:ガガのブランドといえば、アマゾン(AMAZON)と組んでやっている「ハウス ラボラトリーズ(HAUS LABORATORIES)」。買いやすさではピカイチだし、ガガがやりたいことにいちいち口出ししないということでAMAZONと組むことになったらしい。

レイチェル:ただその割にはパッケージもウェブサイトも安っぽい印象なのが残念だけど。

スティービー:そうそう、なんだかパッとしない印象だし周りでも話題になっていないから、売れていないのかと思っていたら、リアーナ(Rihanna)の「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」、カイリー・ジェナー(Kylie Jenner)の「カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)」に続いて、去年の売り上げは3位だったらしい。

メイ:セレブビューティブランドの中で、ということよね?それでも「フェンティ」が「ハウス」の約4倍ある。それでも、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)の「KKW ビューティ(KKW BEAUTY)」を押さえて3位ってすごい。

レイチェル:個人的には、ネーミングがしつこい気がするんだけど。“ル・モンスター・マット・リップクレヨン(Le Monster Matte Lip Crayon)”とか。”リキッド・アイ・ライ(嘘)・ナー(Liquid Eye-Lie-Ner)“、“アイ・デンティファイ・ジェルペンシル(Eye-Dentify Gel Pencil)”などなど。

スティービー:まあ彼女のファンはうれしいのかもね。そのダジャレも。

歌姫たちのブランドも続々登場

レイチェル:去年の夏にローンチして、今かなり力を入れてプロモーションしているのが「レア ビューティ(RARE BEAUTY)」。歌手のセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)のブランド。リキッドファンデーションが48色といろんな人種に向けてアピールしていて、「フェンティ」の50色に迫る勢い。

スティービー:自分だけのユニークさを見出し、レアな存在感であることを受け止めることが大切というメッセージを発信。

メイ:同時に立ち上げたレアインパクト基金(RARE IMPACT FUND)に1億ドル(約100億円)の募金を今後10年間で集めることを目標としているらしい。同基金の狙いは、メンタルヘルスのサポートを高いお金を払わなくても受けられるようにすること。売り上げの1%がこの基金に行くらしい。どこのセレブブランドも、大抵何かのチャリティと組んでいるよね。ただのお金儲けに見えないようにということと、意識の高さをアピールすることがマーケティングにも繋がっている。

レイチェル:価格帯は、ガガの「ハウス」とほぼ一緒。ただパッケージはベビーピンクが基調になっていて、かわいいのが特徴かな。セレーナは最近料理番組「セレーナ+シェフ(SELENA+CHEF)」にまで登場するなど多方面で活躍中だけど、彼女のファン以外の人がこのブランドを買うかが気になるところ。

スティービー:歌姫のカテゴリーに新入りがいろいろ参入しても、今も売れているのは「フェンティ」ってこと?どれくらいの数字なの?

メイ:一時ほどではないのでは?と思っていたんだけど、2019年は6億ドル(約600億円)の売り上げ、2020年は少し減って5.5億ドル(約550億円)くらいだったみたいだから、まだまだすごい。

スティービー:歌姫のカテゴリーでぜひ入れたいのは、アリシア・キーズ(Alicia Keys)の「キーズ ソウルケア(KEYS SOULCARE)」。去年末に出たばかり。化粧品ではなくライフスタイルビューティブランドというくくり。モイスチャライザー(30ドル、約3000円)、キャンドル(38ドル、約3800ドル)、フェイシャルローラー(28ドル、約2800円)の3点のみの展開で、今後商品を増やしていくんだとか。

レイチェル:ミュージシャンというなら、ファレル・ウィリアムス(Pharell Williams)も「ヒューマンレース(HUMANRACE)」というスキンケアラインを去年発表した。緑色のポップなパッケージデザインはリサイクルプラスティックが50%使われていて、一度買うと次からはリフィルを買えばいい仕組み。

メイ:それは賢い!いつも大袈裟なパッケージを捨てるときに心が痛むからね。でも完売してしまっているみたいで、なんと入手不可能。

スティービー:皮膚科医が携わっていてコンセプトがおもしろいだけじゃないから、ちゃんとした効果が期待できそう。ファレル自身、スキンケアにはこだわってそうだから説得力がある。

レイチェル:もう一人、ティーンに絶大な人気のホールジー(Halsey)も今年に入って自分のビューティブランド「アバウト フェイス(ABOUT FACE)」を発表。みんな去年の春からこもっている間に、すごい勢いで作ってしまったのかなと思ってしまう。

ビューティに夢を見るハリウッド

メイ:女優枠だとどんなのがあるかな?パッと思いつくのは、グウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)が「ジュース ビューティ(JUICE BEAUTY)」と組んで展開している「グープ ビューティ(GOOP BEAUTY)」。グウィネスが主催するライフスタイルウェブ兼ショップ、グープ(GOOP)のオリジナルブランド。

スティービー:グープにはコンテンツが豊富だから、そこで提案されるデトックスの記事を読みながらフェイスオイルを買ったりする人も多いはず。

レイチェル:セレクトショップ風になっていて、オリジナルのエプロンから話題のキャンドルまでいろいろそろっているし。

スティービー:この道ではグウィネスが一人勝ちだけど、実はいろいろ計画を練っている女優とか、きっといるよね?

メイ:私が分かる範囲では、一度失敗してはいるけどブレイク・ライブリー(Blake Lively)もライフスタイル帝国というか、ビューティブランドを計画中みたい。そんな高級なラインではなさそうだけれど。

レイチェル:ブレイクの場合、夫のライアン・レイノルズ(Ryan Reynolds)が素敵に笑ってくれるだけでプロモーションになりそうだもんね。

スティービー:いや消費者は実際のところ、もっとシビアだと思うよ。実際に一度失敗しているし。夫よりもビジネスパートナーが大事かも。

メイ:過去には、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」の化粧品の広告に出ていたり、「リュックス(LUXE)」のヘアケアの広告にも出ていたスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)も自分のビューティブランドを夢見る女優の一人。私のエージェンシーでよくビューティの広告に彼女を起用したいという話が上がるんだけど、その度にスカーレットのエージェントから彼女が近々自分のラインを出すかもしれない可能性について説明されるの。ここ数年ずっとそう。

スティービー:実際に、ビューティブランドを立ち上げるってすごい大変なこと。こんなに商品が溢れている世の中で、ユニークなコンセプトを考え、特徴のあるプロダクトを開発し、パッケージやロゴのデザイン、マーケティングや広告を準備して店頭に並べても、 売れ続けるのは難しい。もちろん自分だけではできないからいいチームを築かないと。そういう意味では、ハリウッドの中でも稼ぎがトップクラスの女優だけに許される夢かも?

レイチェル:トップ女優のチームからは外れるけど、意外と成功しているのがダイアナ・ロス(Diana Ross)を母に持つ女優のトレイシー・エリス・ロス(Tracy Ellis Ross)が展開するカーリーヘア用ブランド「パターン ビューティ(PATTERN BEAUTY)」。基本的には、黒人特有のカーリーヘアに対応するために開発されたとは思うんだけど、私のカーリーな髪の悩みが見事になくなった。

メイ:普通のヘアケア商品だと分かれていたとしても、ストレートヘアかカーリーヘアくらいしかないからね。カーリーの中にもうねりヘア、コイルヘアなどいろいろある。インクルーシブな世の中にうまく対応したことが成功の秘訣かも。もちろん前からニーズがあったはず。

レイチェル:私のようなくせ毛の場合、乾燥しやすく、すぐにチリチリになってしまうのだけど、「パターン ビューティ」の商品を使うと、髪に水分をたっぷり与えてくれるからか、クセをきれいにキープしながら、艶を保てるようになった。カーリーヘアを無理にストレートにするという考えは根っからないところがいい。

スティービー:「パターン ビューティ」は、公式ウェブとウルタ(ULTA)で売られているけど、やっぱりどこかが独占的に売っている感じだね。JLOはセフォラ(SEPHORA)、ガガはアマゾン、フェンティもセフォラ、みたいな。あとはダイレクト トゥ コンスーマー(D2C)というか、自分のウェブショップで売る。百貨店をベースにしているビジネスモデルが見当たらない。

レイチェル:ティーンの中で人気なのは、女優ミリー・ボビー・ブラウン(Millie Bobby Brown)の「フローレンス バイ ミルズ(FLORENCE BY MILLS)」とかかな。ネットフリックスシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things)」で一躍有名になった子役で、現在17歳。最近まで知らなかったけどイギリス人らしい。

スティービー:「ストレンジャー・シングス」は好きだけど、そんな若いときからコスメブランドをする必要があるのかと思ってしまう。ビジネスに積極的な大人たちが周りにいるのかもね。

マスマーケットで成功のセレブブランド

メイ:でも大成功と言えば、ジェシカ・アルバ(Jessica Alba)の「オネスト カンパニー(HONEST COMPANY)」が一番では?どこでも見かけるし。特に大手のスーパーとかでは。

レイチェル:「オネスト カンパニー」は、ビューティというよりはベビープロダクツとホームプロダクツのイメージ。ローンチ後、急成長したけど、そのあと一時見えなくなった気がするけど?

スティービー:数年前に、訴訟問題がいくつかあってビジネスの立て直しを図った。2020年は売り上げが3億5,000万ドル(約350億円)にまで戻ったらしい。ジェシカ・アルバはまだ女優としての道も明るかったはずなのに、このブランドに専念してすごい。

レイチェル:「オネスト カンパニー」を立ち上げたのが、11年。その後15年に、新しいカテゴリーとして「オネスト ビューティー(HONEST BEAUTY)」が加わって、総合ライフスタイル的な位置付けに。子ども向けのドリンクとかスナックとかも人気だし。

メイ:もう一つ地味に売り上げをキープしているのが、ドリュー・バリモア(Drew Barrymore)の「フラワー ビューティ(FLOWER BEAUTY)」。最初はウォルマート(WALMART)、その後ウルタ、現在は米国中にあるドラッグストアCVSと組んで展開していて、年商は約5,000万ドル(約50億円)と言われている。しかもドリューはビューティ以外にもホームのカテゴリーもやっていて、そちらは年商7,500万ドル(約75億円)らしい。もちろん彼女の手元に残るのは、もっと少ないとは思うけど。

レイチェル:女優がビューティブランドを始めるのは、女優業以外で収入を得たいというのがあるのかもね。資金もあるわけだし。ある一定の年齢を超えると役柄が減るとは聞いたことがあるし、みんながみんないつまでもニコール・キッドマン(Nicole Kidman)のようにありとあらゆる役柄に挑戦したいかどうかはわからない。

スティービー:ニコール・キッドマンは、ビューティブランドとかには手を出さずにずっと女優でいてほしいけど。

メイ:番外だけど、ダコタ・ジョンソン(Dakota Johnson)はセクシャルウェルネスブランド「モード(MAUDE)」に投資している。ミニマルなパッケージのおしゃれコンドーム、セックスジェル、キャンドル、ボディーオイル、バスソルトなどを展開。

知名度では測れないモデルによるブランド

メイ:シンガー、女優ときたら、次はやっぱりモデルかな。

レイチェル:ここにもまた山のようにブランドが。

スティービー:分かりやすいところでは、ミランダ・カー(Miranda Kerr)の「コーラ オーガニックス(KORA ORGANICS)」とか?2〜3年くらい前かな、パッケージを一新し海外にも積極的に売りに走ったという記憶が。

レイチェル:ちょうどスナップチャット(SNAPCHAT)の創業者と再婚した頃よね?

メイ:彼にビジネスアドバイスをもらったと言っていたような。いろんな国でパートナーを探していた。

レイチェル:ややスピリチュアルな感じもあってユニークだけど、実際に使ってみると早くこのボトルなくならないかなと思ってしまう。

スティービー:ジゼルもスキンケアブランドを10年くらい前に立ち上げた記憶が。いつの間にかなくなってしまった。シンディ・クロフォード(Cindy Crawford)の「ミーニングフル ビューティ(MEANINGFUL BEAUTY)」はまだ続いているみたいだけどね。

メイ:元祖はなんと言ってもイマン(Iman)じゃない?1994年からあるらしいし、みんなが“インクルーシブ”だの言う前から彼女は市場に自分の肌の色に合うファンデーションがない女性のためにこのブランドを立ち上げた。

レイチェル:今の話題はなんと言ってもヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)が2度目のブランド名申請をしたってことかな。

スティービー:ヘイリーがジャスティンと結婚してすぐに、「ビーバー ビューティ(BIEBER BEAUTY)」で商標を申請したところ却下された。その理由が、すでに10年くらい前にジャスティンのビジネスチームが、将来のためにといろいろなビューティカテゴリーの商標をすでに押さえていたから、ということらしい。

レイチェル:もしかしたら「ビーバー ビューティ」を作りたくてジャスティンと結婚したかもしれないのにかわいそうなヘイリー。

メイ:そうだったら結婚する前に調べるでしょ。でも私の経験上、もちろん商標は確保しているでしょ、と信じてパッケージデザインを進めていたら、途中で商標が取れなかったということもあったから。

スティービー:2月2日のニュースによると、ヘイリーは自身のミドルネームでもある「ロード(RHODE)」という商標を申請したらしい。どの程度まで計画が進んでいるのかは不明だけど。実際にヘイリーは、まだ「ベアミネラル(BARE MINERALS)」の広告塔だしね。

レイチェル:セレブリティビューティブランドの特典って一体何かなって考えてみたんだけど、キャンペーンモデルにお金がかからないことかな?

メイ:毎回自分で出るのも大変だと思うけど、ミューズがはっきりしているのがいいこともあるし、マイナスな時もあるかも?私もエンターテイナーとしてのJLOは好きだけど、彼女みたいになりたいかって言われたら違う気もするし、彼女が本当に自分のプロダクトだけに頼っているとは思えないし、その辺りが難しいところかもね。

スティービー:プロじゃなくても、今後この分野での競争が過熱化するのは見えている。カーダシアン家だけでも混み合っている感じだし、実はユーチューバーやインフルエンサーによるブランドも結構ある。

メイ:今後販売体系も変化していきそうだし。例えばウルタは、21 年のうちにターゲット(TARGET)100店舗内に売り場を作ると発表。一方セフォラも23年までに850店舗のコールズ(KOHLS)内に売り場を設置するらしい。

レイチェル:都会にしかなかったセフォラが、これで一気に郊外進出ってことね。そういえば最近ファッションデザイナーのジェイソン・ウー(Jason Wu)も、ビューティブランドを量販店のターゲット(TARGET)で発売している。

スティービー:アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)もスキンケアのラインを考えているという噂はあったけど、それを言ったら大抵のデザイナーのトゥドゥリストに入っているんじゃない?

メイ:10年、いや20年くらい前かもしれないけれど、セレブがこぞってフレグランスを出したときがあったよね?ビヨンセ(Beyonce)からブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)まで。そのあとアパレルの時代があって、JLOのファッションショーに行った記憶もあるし。ケイティ・ホームズ(Katie Holmes)のファッションブランドっていうのもあった。

レイチェル:その流れで残っているのって、オルセン姉妹の「ザ・ロウ(THE ROW)」とか、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)のラインくらい?

スティービー:ヴィクトリア・ベッカムは、エスティ ローダーとコラボレーションした後に、自分の会社に2人ヘッドハントして自分のビューティブランドを19年に立ち上げたらしい。さすがビジネスウーマン!

レイチェル:実は夫のデイヴィッド・ベッカム(David Beckham)もロレアルと組んで2018年に「ハウス99 (HOUSE 99)」というグルーミングブランドを立ち上げたようなんだけど、知ってる?

スティービー:その頃は今と違ってヨーロッパにも頻繁に行ってたんだけど、見たことがあるようなないような。

レイチェル:静かに終わったみたい。デイヴィッド・ベッカムの名前と顔を使っても売れないものは売れないということね。

スティービー:でもデイヴィッド・ベッカムは、大麻(カンナビス)を使用した商品を展開するセルラーグッズ(CELLULAR GOODS)というベンチャーに投資し、社外取締役に就任したらしい。自分の名前を使わずに、大麻ビジネスという今後大きくなりそうなビッグドリームに投資とは。

メイ:シビアなビジネスだけど、それだけ魅力的ってこと。ヘイリー・ビーバーのビジネス手腕も楽しみ。

メイ/クリエイティブディレクター : ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター : アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

レイチェル/プロデューサー : PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働くようになって早3年。アーティストがこぞってスタジオを構えるヒップなブルックリンのブシュウィックに暮らし、最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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