※この記事は2020年12月9日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
語りづらいモノはUGCにお任せ!
下のリンク1本目の通り、コスメ界における「オルビス」のUGC活用術は素晴らしく、知らない人は“モグリ”だと思っています(断言です、マジで)。なにせオフィシャル動画より、他人がインスタグラムに上げたムービーの方がページの上位にありますからね(!!)。ビューティ界においてはスキンケア、中でもメイク落とし的な製品は、キャッチーな要素が少なく訴求しづらい製品。ことオウンドメディアでは薬事法の壁が高く、効果についての文言は弱くなりがち。結局、誰もが薄~く「これ、スマホで誰が見るんだろうね?」と思っている処方の話に終始しがちです。オルビスの「オフクリーム」のページは、それをUGCで解決します。
同じく「頑張って作る割に、実は、語りどころが多くない」ファッション業界にとっては、大きな参考になると思っています(もちろん、「語りどころ」を増やす努力も必要ですよw)。以前、ファッションEC「フィフス」の社長が今秋「エテュセ」とタッグを組んだ理由について、「強化したいYouTubeで、ビューティの力を借りれば語りどころが一気に増える」と話していたのが印象的です。それって裏を返せば、「ファッションだけでは、語りづらい」ってコトですよね?無論、「フーフー」の高坂マールくんやYouTuberのMBさんのように、それでも上手に大いに話す人は大勢いらっしゃいますが、「ファッションだけでは、語りづらい」は真実だと思います。そこで「フィフス」はビューティの力を借りたワケですが、ここでUGCを活用するという可能性も大いにアリです。
個人的には「ユニクロ」のスマホアプリなんて、レビューばっかり読んじゃいますものね。「+J」の“「裏地がカサカサ」問題”なんかは、どのメディアも語らず、UGCがつまびらかにしたトピックスです。個人的には「さすが、ジル・サンダー!普通じゃないね!」と感動したワケですが、特に女性には、そう思わない方も大勢いらっしゃる様子です。「解釈は、こんなに違うのか。面白いなぁ」と思いながら、「裏地がカサカサ」で誰かが返品した(のかな?)ウィメンズのチェスターコートをポチったのは、完全なる余談です(笑)。
UGCを生み出すため、「オルビス」はインフルエンサーを商品説明会に招くそうです。コレ、大事みたいですよ~。映えるパーティーじゃなくて、商品説明会です。先日も私のインスタグラムの師匠、リデルの福田CEOが全く同じことをおっしゃっていました。伊勢丹のフレグランスの催事「イセタン サロン ド パルファン」では、事前に招いたインフルエンサーに担当者がプレゼンする機会を設けると、投稿は7倍に!!確約していた1投稿以外の平均6つはオーガニックで、全てがUGCとなったそうです。改めてインフルエンサーはもちろん、お客さままで「パートナー」なのですね。共感して愛情を持ってくれそうな方には一生懸命プレゼンしてUGCにつなげる。すると、そのUGCが次の認知、ひいてはUGCを生んで、口コミのように拡散する。手段は変われど、考え方はな~んにも変わっていないことをあらためて認識し、「うん、だったらやっていける!」と自信を深めました。
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