「プラダ(PRADA)」は、2021-22年秋冬コレクションをデジタル形式のショーで2月25日に発表しました。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)による3回目のコレクションです。メンズに続き、今回もミラノで行われた展示会に足を運びました。
コレクションのテーマは“POSSIBLE FEELINGS II: TRANSMUTE(生まれうる感情 II: 変革)”で、21-22年秋冬メンズの続編となります。ミウッチャとラフは服の役割について対話を重ね、型にとらわれたファッションの慣習を打破する表現を試みました。女性と男性、単純さと複雑さ、制限と解放など、相反するものの中間の空間を、概念や素材の矛盾を通して探求しています。
コレクションにはMA-1ブルゾンやダブルコートなど、メンズと同型のアウターが登場。ウィメンズで新たに加わったのはフェイクファーのコートやバルーンスリーブのチェスターコート、そしてキーピースである“プラダ リナイロン(Prada Re-Nylon)”を使用したアウターは、肩を落としたような襟元のデザインが特徴で、ショート丈とロング丈をそろえます。ロング丈は、ナイロンとフェイクファーのリバーシブルで着用できます。オペラ風のショールは、フェイクファーとスパンコール、もしくはフェイクファーとニットをあしらい二面性を表現しています。
種類が増えたバッグや
プラットホームの靴
メンズにも多く登場した、肌着のようなニットは幾何学柄の種類が増え、バッグやブーツ、グローブなどのアクセサリーにも採用されています。足元は全てプラットホームで、メンズと同型のレースアップに加え、サイハイブーツとミドル丈ブーツがナパレザー、ニット、スパンコールなどが並びます。バッグは、ふた部分がトライアングル型のニット素材やスパンコールで装飾されたショルダーバッグ、大きめサイズのナパレザー素材のメッセンジャーバッグ、フェイクファーのトートバッグとバリエーションが増えました。1990年代に誕生したクレオ(Cleo)を再解釈し、バッグは肩にかけるのではなく、クラッチバッグ風に小脇に抱えるスタイルがプラダらしさ“プラダネス(prada-ness)”を体現するアティチュードとしてショーでも多く登場しています。ミウッチャとラフによる初のコレクションで注目を集めた、アイコニックなトライアングルモチーフのピアスは色とサイズ違いで少し種類が増え、新たにイヤーカフも加わりました。