「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」新宿店が、2月28日の夜に営業を終了した。ニューヨークから上陸したファッションの大型専門店の日本1号店が、30年の歴史に幕を降ろした。19時に閉店し、約30分後に約40人ほどの顧客を前に、スタッフ全員が正面入口の前に立ち、シャッターが降りる中でお辞儀をすると、顧客たちからは「今までありがとう!」という声が一斉に上がった。
バーニーズ ジャパンは伊勢丹(現三越伊勢丹ホールディングス)が1989年に設立。翌年11月に日本1号店として「バーニーズ ニューヨーク」新宿店をオープンした。当時、高級ブランドを中心に地下1階から地上8階の9フロアで構成するファッション専門の大型店は異例のスケールで、大きな話題を呼んだ。その後、伊勢丹が全株式を住友商事と投資ファンドに売却し、運営から撤退。15年にはセブン&アイ・ホールディングス傘下に入るなど運営は変わった。新宿店の成功を受けて、店舗は銀座や横浜、神戸、福岡、六本木と主要都市に広がった。
本国の「バーニーズ ニューヨーク」は19年8月に破綻。ニューヨークの旗艦店の閉店セール時には床に服が散乱するなどの混乱が見られたが、新宿店は最終日も店内はいつもどおりの整然とした佇まいで別れを惜しむ顧客たちを迎え、閉店間際までその姿は変わらなかった。