「WWDジャパン」2月22日号の付録として、定期購読者向けに発行した「2020年秋冬ビジネスリポート」(単体での販売も実施中)では、全国41店舗の百貨店に20年8~12月の好調ブランドについて聞いたアンケートをまとめている。ファッションジュエリー部門で2位にランクインした「ヴァンドーム青山(VENDOME AOYAMA)」に話を聞いた。同ブランドはベーシックかつ上質なジュエリーを求める女性に人気で、ダイヤモンドネックレスなどの定番品に対して高い支持を得ている。コロナ禍では、幅広い年齢層による自家需要およびブライダルも好調だ。コロナ禍における売れ筋や需要の変化について、山田稔子ヴァンドーム・ヤマダ取締役MD推進部長に聞いた。
一番の売れ筋はシーズン限定品やイエローゴールドやプラチナのネックレス、リングで中心価格帯は3万〜10万円。山田部長は、「20〜60代と幅広い年齢層が来店した。クリスマスの時期にはギフト需要で男性やカップルの来店もあったが、自家需要による女性客が多かった」と話す。高額品は10万〜20万円のプラチナやゴールドのダイヤモンドネックレスが人気で、シーズン限定の色石を使用したものも好調だったようだ。
コロナ前後の売れ筋の変化に関しては、「コロナ前は、大ぶりの耳周りアイテムが人気だったが、コロナ禍ではリモートワークなどにより顔周りが華やかになるネックレスやマスクでも付けやすいイヤカフ、小さめでも存在感のあるイヤリングへ需要が変化した」と山田部長。また、コロナ禍ではお守りとしてジュエリーを身につける需要が高まっているようだ。同部長は、「しずく形、馬蹄などのラッキーモチーフがよく動いた。高めの年齢層になると外出を控えるケースが多く、長く使える品質の高いものを購入する傾向にある」と説明する。
コロナによる絆需要でペアアイテムが好調
ブライダルに関しては、エンゲージメントリングは30万円台、マリッジリングに関してはペアで20万円台が中心という。山田部長は、「エンゲージメントリングは数量限定品をはじめ、シンプルなデザインから王道ベーシックなものに加えデザイン性の高いモデルの人気も高かった。マリッジリングは、女性はダイヤモンド入り、男性はハーフマットのタイプが人気だった」という。
コロナ禍で絆需要も高まっており、クリスマス時期を中心にペアリングやペアネックレス(ペアで4万〜6万円)がよく動いたという。コロナ禍におけるコミュニケーションについては、「このような状況に来店いただけることに感謝し、丁寧かつ心こもった接客をしている」。手書きの礼状やDMなども活用しているようだ。