「2025年の崖」は目前 対処療法は限界なのか?
みずほ銀行のATMトラブルは、大変なことになりましたね。twitterには、みずほの前身、富士銀行と第一勧業銀行、日本興業銀行の中で、特に一勧のシステムがエグく、頭痛のタネになっているなどの指摘がありましたが、本当でしょうか?いずれにせよ、20年前のシステム統合が、今なお大きな問題として存在していることを再度認識する機会になりました。
このお手紙では以前、IT賢者のCHIKARAさんから教わった「2025年の崖」、大昔に開発し、その後は都度都度改修したり付け足したりを繰り返して肥大化したシステムがいよいよ老朽化し、もはや誰も全容がわからないソレが立ち行かなくなる2025年が目前に迫っている!!なんてお話をしましたが、「いよいよ、カウントダウンが始まっているんだな」と感じました。「2025年の崖」は、私たちの世界でも笑い事ではありませんよね。その昔、百貨店には70以上の決済方法が存在して(現金、クラブカード、他社カード、商品券……、電子決済も含めれば、スゴいのでしょうね)、各店は、それぞれに応じて異なる端末処理を求められているなんて話を聞きました。その全部を知っている販売員は、誰なのか?なんて話も(苦笑)。その統廃合は、3つの銀行のシステムの統廃合に近い、いや、それ以上のエグさかもしれません。
老朽化したシステムは、全容が誰もわからないコトもキツいのですが、若手は「どうして、こんなに昔のシステムを改修しなくちゃいけないの!?俺が作ったワケじゃないのに……。俺はイチから、新しいモノが作りたいんだ~」なんて思うでしょうから、なおさらキツいですね。そう言えば弊社も数年前は、昔ながらの購読者管理と、「WWDJAPAN.com」の会員システムをどう融合するか?なんて話をず~っとしていましたが、最近は聞かなくなったような……。販売部とデジタルマーケティング部が、解決してくれたのかもしれません(笑)。
なんかこういう話を聞くと、都度都度の対処療法ではなく、抜本的な原因療法が必要なところは、数多いんだろうな、と思います。
例えばファッションショーの世界は今、ミラノやパリコレなど既存の枠組みは存続し、各ブランドはその中で世界に向けてデジタルでコレクションを発信しています。でも、見ている人の多くが現地にいるワケではなく、例えば東京のブランドなんかは「日本にいながらにして、パリコレに参加」という状況になっているワケで、それは良いことなのか、悪いことなのか、私にはわかりません。それは既成概念からの超越なのか、それともむしろ既成概念に縛られているのか?そんなコトを考えています。
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