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増加する富裕層がけん引 コロナなんてどこ吹く風、百貨店特選の20年秋冬好調ブランドを検証

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 「WWDジャパン」は、毎シーズン恒例の百貨店商況アンケートを2020年秋冬(8~12月)も行った。その結果は、定期購読者向け別冊特典「ビジネスリポート」で詳報している(単品販売も実施中)。それと連動し、特選(ラグジュアリーブランド)市場については、有力7百貨店にその状況を詳しく取材した。コロナ禍で免税売り上げは霧消したものの、海外旅行や外食が制限されている国内富裕層の特選消費は非常に旺盛だ。新常態下で求められている特選ブランドやその売り方を追った。(この記事はWWDジャパン2021年2月22日号からの抜粋に加筆しています)

 訪日外国人客の消失、外出自粛を受け、2020年秋冬の百貨店売り上げは春夏に続き大ダメージを受けている。日本百貨店協会が発表する「全国百貨店売上高概況」によると、20年8月の売上高は前年同月比22.0%減、9月が同33.6%減、10月が同1.7%減、11月が同14.3%減、12月が同13.7%減。前年実績が台風被害などで低かった10月を除き、2ケタ減だ。

 ただし、その中で比較的堅調なのが特選。特選を表す“身のまわり品”の売上高は、8月が同16.9%減、9月が同37.1%減、10月が同8.4%増、11月が同10.5%減、12月が同13.1%減。前年に消費増税前で大きな駆け込み需要があった9月を除き、百貨店の全体売り上げよりも落ち込み幅が小さい。

 もともと免税売り上げ比率が小さく、都心への外出を避けるようになった地元客を取り込んでいる地方店・郊外店ほど、特選の好調ぶりは顕著で、今回取材した百貨店7社の中でも、千葉店や広島店を含むそごう・西武(5店累計)は「特選の8~12月売り上げが前年同期比5%増」。高島屋は高崎店の特選売り上げが同70%増、立川店が同13%増。大丸松坂屋百貨店では、大丸神戸店の特選が同7%増、松坂屋名古屋店が同3%増だ。

富裕層は2年前より6万世帯も増加

 もともとの免税売上高が大きかったため、特選が前年を割り込んだ店舗でも、国内客に限れば「8~12月は同12%増」(阪急うめだ本店)、「2ケタの伸び」(松屋銀座本店)という。海外旅行や外食を制限されている国内の富裕層が、その代わりに百貨店で高額品を旺盛に消費している姿が目に浮かぶ。それを裏付けるように、野村総合研究所が12月に発表した日本の富裕層世帯(純金融資産保有額1億円以上)の数(19年)は、132万7000世帯で前回調査の2年前より約6万世帯増加した。

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