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アシックスが16万円のランプログラム提供 初心者でもやる気アップなサービスを体験してみた

 コロナ禍になってもうすぐ1年。健康意識が高まり、スポーツやアウトドアを日常に取り入れる人が急増しています。昨年夏にスポーツ担当になった僕は、各社の最新モデルやマーケティングプランなどを取材して座学的な知識が増える一方、なかなか腰が上がらず運動不足が加速中。「これではマズイ」と思っていたところ、アシックスから市民ランナーのサポートサービス“アシックスプレミアムランニングプログラム”の体験会のお誘いが届きました。「行くしかないでしょ!」と意気込み、早速アシックスストア東京銀座に向かいました。

ランニングを包括的に支援
対象は“サブ3.5”狙うランナー

 この春スタートする“アシックスプレミアムランニングプログラム”は、一人一人に合ったランニング体験を提供し、ランナーの成長と継続を促すプログラムです。専門施設でのランニング能力の計測をはじめ、コーチやトレーナーによる悩み相談サービス、オンライン交流会、シューズ&デジタルデバイスの進呈、東京マラソン2021出走資格の提供、トレーニング施設利用権利などのサービスを提供します。実施期間は4月11日〜6月30日で費用は16万5000円、定員は30名。フルマラソン経験者で記録向上に興味がある人、自己ベストが3時間30分以内あるいはそれを目標としている人を対象に、3月5〜21日まで応募を受け付けています。

 今回は、月に1回程度しかランニングしない超初心者ながら、この高額プログラムの目玉「ランニング能力測定」の簡易版にトライしちゃいました。

波乱の幕開け
“脚筋力測定”

 測定スタッフへのあいさつを済ませ、早速スタート。まずは専用機器に腰かけ、足を伸ばす力と曲げる力の最大筋力を測ります。空手・剣道・バスケの経験がある僕は、筋力には割と自信アリ。運動不足とはいえ、意外といい結果を出しちゃうのでは?と鼻息荒げて足を動かしました。

 期待しながら結果を見ると、10段階評価で左が「6」で右が「4」、曲げる力は両足ともにまさかの「2」。「え、めっちゃ低いじゃん」と内心焦っていると、測定スタッフから「動きが意外と難しいので、通常は2回測定してベストの値を採用しています。もう一度やれば伸びますよ」とフォローされました。太ももがピクつくほど全力を出し切っていましたが、「そ、そうですよね」と返答してしまいました。すみません。

「クセのない走り」にかすかな希望
“持久力&フォーム測定”

 筋力測定のショッキングな結果にくじけそうになるも、「肝心なのは次だ!」と言い聞かせて持久力&フォーム測定に移ります。二酸化炭素排出量を調べるマスクや心拍数を測る装置をつけ、ランニングマシーンを15分前後走行すると、持久力が科学的に算出されるシステムです。マシーンは1分ごとにスピードが上がっていき、終盤に近づくほどキツくなる設定。レベル別に4コースが用意されており、僕は迷うことなく「レベル1(最もやさしい)」をチョイスしました。

 いざ測定スタート!んん、慣れないマスクのせいか、怠惰な私生活のせいか、開始早々息切れしました。ランニングマシーンも初体験で、足運びがうまくいきません。「測定が終わるまで持つのか⁉︎」と不安がよぎりましたが、スタッフの「頑張りましょう!」の声で正気を保って走り続けること14分。なんとか測定が終了し、胸をなでおろします。

 結果は、有酸素運動と無酸素運動の境界線「ATペース」が時速9.5km(1キロ当たり6分18秒)、ATペースを越えて「キツい!」と感じ始める「RCTペース」が時速11.5km(1キロ当たり時間5分13秒)。「ランニング初心者としては人並み」の結果でした。4台のカメラで分析したフォームは、「ストライドが広めでピッチが少ない、一般的な高身長タイプ」で、「股関節の動きが小さく太ももの引き上げが不十分」でした。

 またしても不甲斐ない結果で残念がる僕に、「クセのないフォームで、腕をしっかり振っていたのが良かったです。しっかりとトレーニングすればどんどん伸びますよ!」と測定スタッフがまたしてもやさしい言葉をかけてくれました。お世辞かもしれませんが、まんざらでもありません。気持ち良く体験会場を後にできました。

夜に届いた詳細リポート
モチベーションが爆上がり

 これだけでは終わらないのがこのサービスのすごいところ。測定現場では簡単な結果のフィードバックのみでしたが、当日の夜には具体的なトレーニング例を添えた詳細リポートがメールで届きました。「ランニング頻度、トータルの量ともに不足しています」と厳しい声に一瞬ひるんだものの、「まずはランニングが生活の一部になるように、週3回のトレーニング実施を目指しましょう。ATペースより遅いジョギングから始め、徐々にペースを上げてATペース付近で1時間程度気持ちよく走れるように」という優しい助言に救われます。筋力についても片脚スクワット、ヒップリフト、サイドレイズなどのトレーニングをあげ、「1~2セット、回数はきついと感じてからしばらく辛抱できる程度を行いましょう」とコメント。心身ともに疲れ切っていましたが、「明日も走ろう」とやる気が湧き上がりました(翌日15分だけ走りました)。

目指すは「ランニングエコノミクスの構築」
アシックスの今後に注目

 3カ月で16万円超えという高額なプログラムですが、豊富なサービスと質の高さを踏まえると、決して高くはないと感じました。アシックスは、コロナ禍でランニングのニーズが拡大したことから、「ランニングエコシステムの構築」に注力しています。中上級者を対象とした同プログラムは、その第1弾。幅広いランナーに向けて、これからどんな仕掛けを行うのか?今後の動きに注目です。

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