繊維商社のヤギは、新たなメンズブランド「オーハル(OHAL)」を2021-22年秋冬シーズンに開始する。ファッションブランドの「ミドラ(MIDDLA)」を手掛ける安藤大春を起用し、上質素材を使った日常着を提案する。
商品は、ヤギが販売する高級素材であるスビン綿を100%使用したジャージー素材のTシャツをはじめ、静岡の機屋とオリジナルで作ったブロード地を使ったシャツ、イタリアの「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」の高級ウール糸を使ったニットなどがそろう。シャツ類は二枚袖の仕立てで、PC作業やピアノ演奏、自動車運転などの前屈姿勢が取りやすいパターンを取り入れた。また安藤デザイナーが音楽家と親交が深いことから、ギターのピックをモチーフにしたボタンや、楽譜をイメージした5本線の刺しゅうをリブに施しているのもポイントだ。価格はTシャツが1万2000~1万4000円、シャツが2万5000円~、ニットが3万5000~3万8000円、アウターが7万~9万7000円。
販売は自社オンラインストアとセレクトショップなどへの卸売りを計画している。オンラインストアは3月末にオープン予定で、4月からタトラス コンセプトストア(TATRAS CONCEPT STORE)での取り扱いが決まっている。また実際に素材に触れられる機会を作るため、ポップアップストアの出店も強化。5月26日~6月1日には西武百貨店池袋本店3階で初のポップアップストアを開く。また音楽家とのコラボレーションも視野に入れ、コンサートイベントなども予定する。
安藤デザイナーは「“最高の普段着”を目指してデザインした。部屋の中でも着心地がよく、ワンマイルウエアとしても上質な服として提案したい。ヤギと一緒に取り組んだことで、上質な素材を手頃に提供できるので、一度着てもらえればリピートしてもらえる自信がある」と語る。
ヤギは子会社にダウンブランド「タトラス(TATRAS)」を販売するタトラスジャパン(TATRAS JAPAN)、ダウンブランド「イエティ(YETI)」を運営するボールドマン、「アタッチメント(ATTACHMENT)」を手掛けるアタッチメントなどでアパレル事業を持つ。「オーハル」は、同社のカットソー生地の販売部門が立ち上げた新ブランドで、同部署がD2Cブランドを立ち上げるのは初めて。ブランドを通して、同社の素材を訴求していく。