イタリアの財閥でフェラーリ(FERRARI)社のオーナーとしても知られるアニェッリ(Agnelli)家の投資会社エクソール(EXOR)は、5億4100万ユーロ(約697億円)を投じてクリスチャン ルブタン社の株式の24%を取得した。
両社は「この提携は(クリスチャン ルブタンの)次のフェーズへの進化を加速させる」と共同で声明を発表。中国でのプレゼンス向上とデジタルおよびEC強化に取り組むという。
株式取得は21年6月までに完了する見込みで、取締役7人のうち2人をエクソール側から任命する予定だ。ルブタン本人とビジネスパートナーのブルーノ・シャンベラン(Bruno Chambelland)は引き続き過半数株式を保有する。
ルブタンはアニェッリ家とは数十年来の親交があると話す。アニェッリ家出身の母をもつジョン・エルカン(John Elkann)=エクソール会長兼最高経営責任者(CEO)とは20年ほど前に中国に出張した際に出会い、エルカン会長兼CEOの妹の映画プロデューサー兼ディレクターのジネブラ・エルカン(Ginevra Elkann)とは親友だという。
エクソールは、2020年12月にエルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL)が保有する中国発ライフスタイルブランドの「シャンシア(SHANG XIA)」に約8000万ユーロ(約100億円)を投資したばかりで、今後ファッション業界に進出する可能性があるとみられている。