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「ドルチェ&ガッバーナ」VS「ダイエット プラダ」 中国での炎上騒動が訴訟に発展

 ファッション界のコピー品糾弾からゴシップまでカバーするアカウント「ダイエット プラダ」を運営するトニー・リュー(Tony Liu)とリンジー・シュイラー(Lindsey Schuyler)は、2019年に「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」が「売上損失およびブランドの棄損」として400万ユーロ(約5億1600万円)の損害賠償を求めてミラノの民事裁判所に提訴した件について、答弁書を提出したことを発表した。

 リューは「アジア系アメリカ人の自分が所属するコミュニティーは、たびたび誤解されることがある。米国に住む多くの有色人種と同じように、私自身も不正確で有害なステレオタイプを通して描写されることに傷つくことがある」とコメントしている。「ドルチェ&ガッバーナ」の代理人からはコメントを得られなかった。

 リューとシュイラーには、ニューヨークにあるファッションロー・インスティテュート(FASHION LAW INSTITUTE)とイタリアのAMSL法律事務所がついている。ファッションロー・インスティテュートは、フォーダム大学ロースクール(FORDHAM LAW SCHOOL)の中にある機関で、ファッションロー(ファッション業界に関する法律や法的問題)という分野を確立したことで有名だ。同機関の創設者、スーザン・スキャフィディ(Susan Scafidi)教授は「創設以来、ファッションロー・インスティテュートは業界人に無償のリーガルサポートを提供することがミッションだ。今回のケースでは、ファッション業界における高い倫理基準の保持、言論の自由の擁護、反アジア表現との闘争に尽力し、多様性や公平性、包括性を促進するために活動している個人をサポートしている」とコメントしている。

 事の発端は18年に「ドルチェ&ガッバーナ」がキャンペーンの一環で投稿した「箸で食べる」と題した3つのビデオだ。イタリア料理を箸で食べる方法を北京語でアジア人モデルに指南するという内容で、これが人種差別的と批判を受けた。

 これに加えてステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)=デザイナーが送ったとされる中国を侮辱するメッセージがインスタグラムで公開され、これを「ダイエット プラダ」が取り上げ、非難したことでこの問題が大きく広がり、ファッション業界の中国人も大きく反発した。この騒動を受けて「ドルチェ&ガッバーナ」は18年11月に上海で開催予定だったファッションショーを開催数時間前にキャンセル。ブランドとステファノ=デザイナーはそれぞれ謝罪文を発表し、一連の投稿は「アカウントをハッキングされた」ためと主張している。その後も複数回に分けてブランドとデザイナーデュオは謝罪を繰り返すが、中国人および中国国内の怒りは収まらず、アリババ(ALIBABA)をはじめとする中国のEC企業が運営するECサイトからは同ブランドの製品が消えるなどブランドにとって大きな損失をもたらした。

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