スタイリスト専用リースショップ「ラナ(LANA)」が東京・神宮前にオープンした。運営は田村駒で、OEM(相手先ブランドの生産)、ODM(相手先ブランドの企画生産)を担う繊維商社の新しい挑戦だ。
スウェーデン語で“レンタル”を意味する「ラナ」は、現在国内外の約250ブランドからメンズ、ウィメンズ、ユニセックスのアパレルのほか、アクセサリー、シューズ、バッグ、ウオッチなど約3000点をそろえる。特徴は、商品をただ大量に集めたのではなく、スタイリストが監修し、映画、ドラマ、CM、舞台あいさつといった場面で“実際に使いやすい衣装”“必要とされる衣装”を丁寧に選定していることだ。ラグジュアリーからストリートカジュアルまでテイストに偏らないリアルクローズを中心としている。
また、小さな雑貨から大型のオブジェまでプロップの貸し出しも行っており、キャンドルアーティストでありフィールドデザイナーとしても活躍するキャンドル・ジュン(CANDLE JUNE)の協力の下、彼が所有するキャンドルやオブジェをはじめ、特別な空間演出をサポートするアイテムを数多くそろえている。
スタイリストが作業しやすい環境もポイントだ。ショップ奥の白壁には衣服と帽子が掛けられるフックを設けており、その場でコーディネートを写真に収めることが可能。また、1.5平方メートルのコンパクトな半個室型ワークスペースを5席設け、デスク、コンセントプラグ、全身鏡、トルソー、ラック、充電器など必要な設備を全て整えた。
店舗で取り扱う全アイテムが掲載されたウェブサイトでリースアイテムの予約が可能で、各アイテムの画像はフリーダウンロードして、端末上で自在にコーディネートできることから、従来行っていた写真の切り貼りが不要となり、プレゼンテーション資料を効率的に作成することにも役立つ。
田村駒は「ラナ」オープンの目的について、こう説明する。「環境汚染に影響を与える余剰在庫の大量廃棄が問題視される中で、ファッション業界の未来をサステナブルな意識によって支え、活性化していくことを目指す。この考えに賛同いただいたアパレルメーカーの協力を得て、リーズナブルな価格設定を実現し、スタイリストに寄り添う環境を実現できた。在庫やサンプル品の有効活用やブランドのプロモーションとしてアパレルメーカーにも貢献できる。『ラナ』が架け橋となることで、アパレルメーカーとスタイリストの双方にとってプラスとなるスキームを具現化していきたい」。ドレスやスーツなど取り扱いアイテムの拡大も視野に入れている。
■ラナ
住所:東京都渋谷区神宮前2-6-10 パークレーンB1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:日曜・祝日
ラナ
03-6721-1767