REPORT
着て飾って楽しむ“ウエアラブル・アート”
プレタポルテのビジネスを先シーズンで終了し、今季からオートクチュールでの発表に専念する「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」。“ファッション・アーチスト”を自認する、ヴィクター・ホルスティンとロルフ・スノエレンは、着て飾った楽しむ“ウエアラブル・アート”を提案した。
額縁付きの服は、脱いで広げれば絵画になる。実際、ランウエイでもモデルが脱いだ服をホルスティンとスノエレンが壁に飾り付けてショーを完結させた。額縁は布製で、オランダ黄金時代の絵画をベースにしたアクションプリントの柄はジャカードで織られているなど、あくまで着ることを前提に作られた服であるところがポイントだ。刺しゅうやアップリケなど服作りの技術でアートを形成している。
帰宅して服を脱いだら壁に飾る。そんな生活があってもいいかもしれない。ふとそんなことを考えさせる時点で2人の取り組みは成功だろう。なおショー終了後は、今季もボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館への寄贈が決まっている。