「シャネル(CHANEL)」は名香「シャネル No5」の誕生100周年を記念し、新作ハイジュエリー“コレクション No5”を発表する。第1弾はNo5=ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)のラッキーナンバーである”5“にちなんだ非売品のネックレス“55.55”。このネックレスには55.55カラットのエメラルドカットのダイヤモンドがセンターストーンに使用されており、「シャネル No5」のボトルがモチーフになっている。クラスプもラッキーナンバーを想起させるデザイン。カスケード状に施された異なるサイズのペアシェイプダイヤモンドが「シャネル No5」の芳香を象徴している。「シャネル」は今年、このネックレスを含む全123点のハイジュエリーを発表する予定だ。
香水とジュエリー業界に革新をもたらしたシャネル
「シャネル No5」は1921年に、シャネルと調香師のエルネスト・ボー(Ernest Beaux)により誕生。花の香りの香水が一般的だった当時、“女性そのものを感じさせる、女性のための香り”である「シャネルNo5」は香水の世界に革命をもたらした。この香水は、フランス・グラース産のジャスミンやローズドゥメをはじめとする80種類以上もの天然香料と合成香料アルデヒドを組み合わせている。また、装飾性の高いボトルが一般的であったのに対し、ヴァンドーム広場を象ったストッパーに、スクエアのボトルというシンプルかつモダンなデザインもシャネルらしい。その後シャネルは32年に、ダイヤモンドとプラチナのジュエリーコレクションを発表。一人のファッションデザイナーであった彼女は、閉鎖的かつ男性的な宝飾業界に飛び込み、既存のジュエリーのコードを一変させたのだ。
メゾンの歴史に永遠に刻まれるネックレス
“55.55”ネックレスは、これら2つの記念すべき歴史をつなぐ象徴的なハイジュエリーだ。このネックレスについて、フレデリック・グランジェ(Frederic Grangie)=シャネル パリ 時計・宝飾部門社長は、「このネックレスを形にすることがシャネル ファイン ジュエリーの歴史にとって重要な一歩だ。誰かの手に渡るのではなく、ヴァンドーム広場18番地に収蔵されることでメゾンの歴史として永遠に刻まれる。55.55カラットという象徴的な重さ、Dカラーのフローレスというダイヤモンドの品質はメゾンの完璧主義と厳密な姿勢を表現している」とコメント。 グランジ社長は2年以上にわたるネックレスの制作工程全てに立ち合ったという。「パトリス・ルゲロー(Patrice Leguereau)=シャネル ファイン ジュエリー クリエイション スタジオ ディレクターによるデザイン画を見たとき、ダイヤモンドの原石に出合い55.55カラットにカットすると決意したとき、完成したネックレスを目にしたとき、これら3つの瞬間は忘れ難いものだ」と同社長。
「シャネル」だからこそ可能なクリエイション
世界一有名な香水と言っても過言ではない「シャネル No5」を象徴するセンターストーンのラフダイヤモンドを選び、完璧な八角計にカットして55.55カラットに仕上げるのは至難の技。しかも、グレードはDフローレスと最高レベルだ。通常であれば、これほど希少性の高いダイヤモンドであれば歩留まりを一番に考えてカットするはずだ。このようなコンセプチュアルかつ大胆なクリエイションができるのは「シャネル」ならでは。センターストーンの周りには、104個のラウンドカットのダイヤモンドと42個のバゲットカットのダイヤモンドが施されている。グランジェ社長は、「香水に捧げるハイジュエリーを制作できるのは『シャネル』だけ。“5”はシャネルの幸運のお守りであり、このハイジュエリーコレクションは彼女への賛辞だ」と述べている。