「グッチ(GUCCI)」は21年4月29日、銀座並木通りに新店をオープンする。新店は4フロアあり、段階的にオープンする。マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzari)社長兼最高経営責任者(CEO)によると、同店のコンセプトはアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターがこの店舗のためだけに考えたという。並木通りはサンモトヤマが1964年に日本で初めて「グッチ」の取り扱いを開始した地でもある。
4月29日にオープンする2フロアは合計で約720平方メートルあり、メンズとウィメンズのウエア、バッグ、ラゲージ、アクセサリー、シューズ、ジュエリー、シルク製品、ベルト、ウオッチ、アイウエア、フレグランス、そして家具などを展開する「グッチ デコール(GUCCI DECOR)」など、全カテゴリーを取り扱う。1階と2階の壁面には、日本の伝統的な竹細工から着想を得た装飾を施している。
2021年秋に営業を開始する予定の3階は、アポイント制でメード・トゥ・オーダーをはじめとする特別なサービスを提供し、「グッチ デコール」の展示も行うプライベートな空間「グッチ アパートメント(GUCCI APARTMENT)」を設ける。また、親会社ケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長兼CEOが所有する写真のコレクションもディスプレーに使用するという。
年内には4階にオステリアをオープンする。「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ(GUCCI OSTERIA DA MASSIMO BOTTURA)」は、ビッザーリCEOの友人でミシュラン三ツ星シェフのマッシモ・ボットゥーラ氏がプロデュースする。ビッザーリCEOはかねてから店舗の差別化の手法の一つに食をあげており、18年にイタリア・フィレンツェのグッチ ガーデン(GUCCI GARDEN)にオープンした1号店、ロサンゼルスの2号店に次いで東京が3店目となる。
オステリアのファサードには「グッチ」と協業してきた日本人アーティストのヒグチユウコの作品が飾られるほか、開店記念として同氏のイラストを使用した限定アイテムも販売する。
コロナ禍においてオンラインの活用がますます重要視されるなかでビッザーリCEOは従前から実店舗の重要性を説いてきた。「顧客とつながるための世界観、ブランドと出合う瞬間、一対一の関係は今後も非常に重要であり、猛スピードでそれらが異なる販売チャネルと組み合わされていく。可能な限り最高の体験を提供することが目標だ」と語る。
「グッチ」は1964年からサンモトヤマで取り扱われ、72年に直営店を出店し、これはアジア進出の足掛かりとなった。ビッザーリCEOは、「日本市場には常に期待していて、投資も継続する」とコメントした。