「オルビス」は4月12日、同社として初のパーソナライズスキンケアサービス「カクテルグラフィー(COCKTAIL GRAPHY)」をスタートする。自宅で簡単に肌診断を行うIoTデジタルデバイス「スキンミラー」を用い、その結果に合わせて毎月3本のスキンケアが届くシステムだ。3カ月ごとの契約で、料金はデバイスのレンタル代が3300円(初回のみ)、スキンケアは1回(約1カ月分)7920円。
手のひらサイズの「スキンミラー」はわずか5秒ほどで肌の水分量やキメなどを計測。カメラが皮脂量や毛穴の状態、キメを測定し、水分センサーが水分量を記録する。専用アプリと連動し、測定後は肌の悩みや生活習慣、手入れに関する問診に回答。すると測定結果、問診の回答、さらに住んでいる地域の天候データを組み合わせ、アプリには“肌の持つ力”を表す5つの項目のバランスを示した総合スコアが提示される。総合スコアに加え、「潤い」「滑らかさ」「バリア機能」「ハリ・弾力」「透明度」それぞれの項目ごとの推移をグラフで確認することが可能だ。特に測定の周期は定めておらず、消費者が好きなタイミングで測定できるようになっている。
この肌解析の結果に合わせ、毎月2本の美容液と1本の保湿液が届く。ベースとなる保湿液に、現状の肌の悩みにアプローチする美容液、未来の肌のトラブルを先回りしてケアする美容液を混ぜて使う仕組みで、これで基本のスキンケアが完了する。その日のコンディションや好みに合わせて混ぜる割合や重ね付けも自由に調節でき、アプリでは解析結果に合わせて使い方などもレクチャーする。
新ラインにより、新たな客層の取り込みも狙う。「パーソナライズなので年齢は幅広くアプローチしているが、美容への関心が高い方々をターゲットにしている」と2019年の立ち上げから携わっている田村陽平・新規事業開発グループ グループマネジャー。「スキンケアは毎日行うもの。コンパクトなサイズにしたり、洗面所の鏡に貼り付けられるようにしたのは、ストレスフリーに毎日取り入れられるようにしたため。スキンミラーを用いて、自分の肌と向き合い、正しく理解し、スキンケアに確信を持ってもらいたい」。
小林琢磨オルビス社長は「われわれは以前から年齢に争うのではなく、一人一人が自分らしく年齢を重ねられる“スマートエイジング”というコンセプトを掲げてきた。それをかなえるためにはお客さまが心地よく、自分が納得いく形で美を追求できる環境が必要と考え、そのサポートに尽力してきた。18年には大型リブランディングを行い、そのメッセージを象徴する製品を次々と投入。今回のパーソナライズサービスは、まさにその延長線上にあり、お客さま一人一人の「あなたなり」の正解をともに模索して導くサービスだ」とコメントした。