繊維大手のユニチカグループとフランスのアルケマ(ARKEMA)グループは、炭素成分が100%植物由来の原料を使用したカーボンニュートラルのナイロン素材「キャストロン(CASTLON)」の包括的なリサイクルの取り組みをスタートした。
「キャストロン」は、非可食植物であるヒマ(唐胡麻)の種子から抽出されるヒマシ油を原料としたバイオマス素材。軽量で、耐摩耗性、耐化学薬品性、寸法安定性に優れているのが特長だ。
ユニチカは2007年から原料供給先であるアルケマとの取り組みをスタートし、ナイロン11繊維の開発を進めてきたが、今回はさらに協力関係を進化させ、サステナブルなプロジェクトを打ち出した。
「キャストロン」のリサイクルの取り組みは主に3つ。原糸・生地の生産ロス品や使用済みのアパレル製品を回収し、新たな繊維製品を生み出すこと。また、新たにナイロン11のフィルムを展開し、原反などの生産ロス品や使用済み製品を回収し、繊維・フィルム・樹脂のバイオマス再生原料として使用すること。そして、樹脂加工プロセスで発生する生産ロス品を繊維・フィルム・樹脂のバイオマス再生原料として使用することだ。
ユニチカは昨年4月から3カ年の新中期経営計画の主力事業の1つにサステナビリティの新事業推進を掲げ、繊維セグメントの衣料繊維もエコや環境配慮型素材の商品開発・拡販を重点戦略としている。