REPORT
重ねて表現するユーティリティウエアの軽さと動き
「ラグ & ボーン」の2016年春夏メンズは、ストリートパフォーマーたちのアクロバットを捉えたショートムービーと共に発表された。パフォーマーたちが身にまとったのは、「ラグ & ボーン」らしいユーティリティーウエア。ミリタリー由来するMA-1、スポーティーなメッシュTシャツ、キャロットシルエットのカーゴパンツなどを重ね、時流に即した90年代由来のレイヤードスタイルにまとめていく。下半身もジャストひざ丈のショーツにフルレングスのパンツというレイヤードだ。
重ね着は、一着一着のアイテムが軽いこと、そして、それらは幾重も重ねても引き続き軽いことを強調した。Wファスナーで前身頃の一部が切り離せるモッズ風コートや、パラシュート生地で作ったブルゾン、その下から覗くモダールような質感のロング丈シャツは、ムービーの中ではモデルが宙を舞うたびに大きく揺らめきドラマチック。さらにはパンツのウエスト回りを筆頭に、ブルゾンの裾などさまざまな場所にあしらったドローコードが、映像ではしなやかな弧を描き、スタイル全体のエアリーなムードやアクロバティックな迫力を強調する。
カラーパレットは、男の定番である漆黒を用意しつつも、淡いストーンカラーやサンドベージュなど明度が高く、軽やか。同系色の1カラーコーディネートにまとめたのも、レイヤードスタイルを軽くまとめた一因になっている。