リモートワークが恒常化する中で、「WWDジャパン」のデニム担当記者でさえジーンズをはかなくなり、“デニムは瀕死状態にある”と仮説を立てた。年に一度のデニム特集でも、ここ数年は「デニムは売れていない」と伝えてきた。しかし今回、大手SPAを代表して「ユニクロ」、小売りを代表してビームス、古着店を代表してベルベルジン、メーカーを代表して「リーバイス」に話を聞くと、4社は異口同音に「デニムが売れている!」と答えた。その理由と、実際に動いているアイテムについてまとめた。(この記事はWWDジャパン2021年3月22日号からの抜粋です)
まず話を聞いたのは、SPA大手の「ユニクロ」だ。菊地健太郎グローバル商品本部 R&D部 部長は「好調さが戻ってきている」と話す。コロナ禍で一時はジャージーライクなジーンズやスエット、ウィメンズはレギンスなどが良かったが、「ウィズコロナの生活が根付いてから、具体的には昨年末ごろから“ジーンズらしいジーンズ”というのか、メンズでは綿100%のセルビッジジーンズの売れ行きが復調傾向にある。もちろん“ウルトラストレッチジーンズ”に代表されるコンフォート系は男女共に堅調で、二極化してきている」という。
今後の打ち出しとしては、東レと共同開発した合繊100%の新素材を使った“テックデニムジーンズ”を挙げた。デニムの面構えながら軽量で、「清潔な服が求められる時代に、洗濯してもすぐ乾く点も魅力だ。しかも素材と染料の特性により綿に比べて移染しづらく、おうち時間が増えた今、家着としても最適。合繊ゆえ肌当たりに冷感もあり、気温・湿度が上がっても快適にはいてもらえるだろう。実際、日本より暖かいASEAN諸国ではすでに良いリアクションが出ている」という。
“バック トゥ ベーシック”でブルージーンズが売れている
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