ファッションとビューティ、オフラインとオンラインを結びつける「WWDジャパン」がスタートした「ビューティ・インサイト」は、「WWD JAPAN.com」のビューティニュースを起点に識者が業界の展望を語る。識者は、美容媒体の編集長やコンサルタント、エコノミスト、そしてサロンスタイリスト。ビューティ業界の半歩先は、ファッション業界の“道しるべ”にもなるだろう。今週は、美容師が異業種コラボやクラウドファンディングについて語る。(この記事はWWDジャパン2021年3月22日号からの抜粋です)
今週の識者
VAN/「コクーン」代表
■既存客に向けた効果的なコラボに納得
コロナ禍においては“元に戻す”のではなく、“作り直す”という発想が必要ではないかと考えている。そこで時世的にもコラボや合併のニュースに目が止まった。これまでにもコスメとスイーツのコラボはあったかもしれないが、「シュウ ウエムラ」とパティスリー「サダハル アオキ」のコラボは新鮮だった。このコラボでは色名に抹茶や小豆を用いることでイメージの作り直しが図られていると感じた。世の中には似たような色味がたくさんあるが、消費者の需要や気分が変化する中で季節的なキーワードや美容に特化した表現方法では響きにくくなっている。
それに対して異業種とのコラボで、表現方法に変化を与えているのは、このご時世らしい作り替えという意味で共感した。デザインもスイーツだからといってポップになるのではなく大人っぽさがあり「シュウ ウエムラ」らしい。どちらもラグジュアリーなブランドイメージがあり、近しい顧客層でのコラボであるとも感じた。顧客層を広げるためのキャラクターコラボもあるが、コロナ禍においては既存客に新鮮さを提供し深度を深めることのできるコラボが効果的ではないだろうか。
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