REPORT
アメリカン・スポーツウエアの匠が見せたエフォートレスの極み
業界が「アメリカン・スポーツウエア」と呼ぶ、いわゆるアメリカ発祥のカジュアルスタイルの特徴は、リアル、エフォートレス、そしてストリートという言葉で表現できるだろう。「マイケル・コース」の2016年春夏メンズは、リアルとエフォートレスの極み。ウィメンズ同様ジェット機に乗って出かけたのは、世界のあらゆるリゾート。あらゆる場所に対応しながら、心地よくリラックスできて、それでいながら洗練さを失わないエレガントカジュアルが出揃った。
まずジェットセッターが出かけたのは、エキゾチックな砂漠といったとこだろう。ハイライトの1つは、サンドカラーのリネンで作るフーデッドニットや、わずかフレアするチノ素材のリラックスショーツ、コットンポプリンで作ったロング丈のサファリシャツ、それにグラディエイターサンダルだ。サンドカラーのレザートートは、スエードとのリバーシブル。柔らかな革を使っているので、折りたたんでクラッチとして使うこともできる。
次いで向かったのは、ビーチリゾート。ここでは、リネンなどの素材で作ったパジャマライクなセットアップがぴったりだ。パジャマストライプがメインのコレクションに加わったのは、絞り染めのスカーフ。小さな絞りは小紋のような模様を描き、セットアップとなった。
そして最後は、夜はエアコンがガンガンに効いた都心。オールブラックのクールな出で立ちだが、コットンリネンのジョギングパンツ、ライナーを一切排除したブルゾンなどを羽織ってカジュアルダウンした。
実際の着用シーンを具体的に想定し、エレガンスを失わないギリギリまでカジュアルダウンを図るアプローチが、サファリとマリン、モードなスタイルのいずれにおいても根底に流れている。メンズは11月にオープン予定の銀座店地下1階を皮切りに、日本にも本格上陸の予定だ。