ファッション

ラグジュアリーブランドのドバイ進出ラッシュ続く

 ラグジュアリーブランドがこぞってドバイに進出している。現地でラグジュアリービジネスの売り上げの60%を占める観光客は倍々ゲームで増えており、2020年には年間2000万人に達すると予想されている。ドバイが持つ可能性を重視し、いくつかのビッグブランドはフランチャイズ契約を見直し、直轄運営を図っている。

 昨年は、グッチやイヴ・サンローラン、資生堂などが同地域で現地小売業者や投資会社とジョイントベンチャーを設立した。ジバンシィも、同地域での売り上げが2ケタ後半のペースで成長しており、複数店舗の出店の段取りを進めているところだ。また、アフォーダブル・ラグジュアリーの「カール ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」は、18年までにコンセプトストアを10店舗、ショップ・イン・ショップを15店舗開店する予定。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」もドバイの店舗における売り上げは、世界3~4番の水準だと話す。「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「セルジオ・ロッシ(SERGIO ROSSI)」「プーマ(PUMA)」などのブランドを傘下に持つケリングは、14年度第1四半期の中東地域での売り上げが2ケタ成長しており、今後は現地でのビジネスをコントロールするために、卸売りを縮小する。

 ドバイは観光客を多く受け入れる都市として、海外ブランドに対しても寛容なため、中東で事業拡大を図るブランドにとって最初のロケーションとなることが多い。しかし一方で、ドバイでビジネスをする際は、現地企業とパートナーシップを組まなければならないという法律もある。ケリングなどは、この法律が緩和されれば、ビジネスはさらに成長すると期待を寄せる。

 海外ブランドの占める売り上げが、イギリスに次いで2位の53.8%となった今、ドバイはより成熟した成長期に入ったという。消費者の興味は美容製品やレザーグッズ、シューズに傾いている。依然として高級ブランドやアクセサリー、ジュエリーももてはやされるが、最近ではコンテンポラリーブランドや、より広く流通しているブランドへの支持も高まっている。

 ドバイではショッピングモール事業が盛んで、小売各社が競って臨海地域への進出を図っている。コンサルティング会社のベイ・アンド・カンパニーは、同都市の小売業は年8~10%の成長を続けると予測する。すでに世界最大のモールであるドバイモールは、15年までにさらに約9万3000 ㎡を増床し、100ブランドの新規導入を計画している。より新しくて大きな施設が相次いでオープンする中、いかに生き残るかという問題が現実味を帯びてきた。

 現地では、観光客をターゲットとしたメガ・モールと、地元の住民に支持されるコミュニティ・モールといった区分がハッキリしてきた。地元住民には、ラグジュアリーだけでなくマスブランドや飲食店などが入った、家族全員で楽しむことのできる複合型商業施設が支持されるようだ。一方、メガ・モールにはボーリング場や映画館、スケート場、屋内スキー場などのレジャー施設が内包されていることも多い。

 ドバイから車で90分の距離にあるアラブ首長国連邦の首都アブダビも、小売業の拡大と観光客数を伸ばすため、ショッピングモールや文化施設の建設を急いでいる。大規模なヤス モールは、今年開館する。ほかにも2つのショッピングモールが17年までに完成する予定。全体で約78万㎡のスペースが現在開発されているところだ。ルーヴル美術館とグッゲンハイム美術館の分館や、劇場の建設も進行中。

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