ビオトープ(BIOTOPE)が手掛けるニッチパフュームショップ「ノーズショップ(NOSE SHOP)」は4月1日〜5月5日、香りのデジタライゼーションによって新たな顧客体験を提供するセントマティック(SCENTMATIC)と協業し、香りを言語化するAIシステム「カオリウム」を導入する。ノーズショップ銀座店およびノーズショップ銀座店で展開中だ。
「カオリウム」は香りと言葉を相互に変換するAIシステム。ノーズショップではフレグランス20本から好きな香りを選ぶと、画面に「透明感」や「ロマンチック」といったその香りのイメージに近い言葉が複数表示される。その中から自分が(その香りに)抱くイメージに最も近い言葉を選ぶと、さらに複数の香りが提案される。このプロセスを重ねることで、選んだ言葉を表現する香りを導き出すというものだ。ノーズショップの顧客から抽出した5000件以上の主観データをAIが解析して言語化しており、これまで言葉で表現しづらかった“香りの言語化”を実現した。
中森友喜ビオトープ取締役は「ビオトープでは、これまで“不毛地帯”と呼ばれてきた日本の香水市場を盛り上げるべく、香水をより身近な物として感じてもらえるように取り組んできた。ノーズショップは、『難しい』『分かりにくい』『どれを選んだらいいのか分からない』といったフレグランスのネガティブなイメージを払拭するための空間だ。香りは言葉にすることがとても難しく、そこでハードルが一気に上がってしまう。セントマティックの『カオリウム』を通して、少しでも多くの人に香りの世界を自由に楽しんでもらいたい」とコメントした。
セントマティックは香りの超感覚体験を作る共創型の香りのビジネスデザイン集団として2019年に設立。「カオリウム」は、栗栖俊治社長兼最高経営責任者がドイツ・フランクフルト空港の免税店で閃いたプロジェクトだという。「乗り継ぎの間に、免税店で香水を選ぶお客さんを観察していた。すると来店する人全員が首を傾げながらあらゆる香りを試し、結局誰も香水を買わかった。香水文化が日本より浸透している海外さえ、香水選びが難しいのだと実感した。そこで香水を言語化することができたら、香り選びをはじめ、さまざまなソリューションに応用できると思い『カオリウム』プロジェクトを立ち上げた」。「カオリウム」は東京大学と共同で開発している。現在日本酒にも応用しており、横浜高島屋などでサービスを展開中だ。