ワークマンは2日、「#ワークマン女子」の関西1号店を大阪の商業施設「なんばシティ南館」にオープンした。売り場面積297平方メートル。横浜のコレットマーレ店、東京ソラマチ店に続く3店目となる。初日の2日と土日は、混雑を避けるために整理券を配って入場を制限する。初年度売上高は既存店を大幅に超える6億円をめざす。
「関西人は安くていいものを買ったら自慢する気風があるので口コミで拡散しやすい。安いものを買ってもだまっている関東人とは異なるので6億円は達成すると思う。『ワークマンプラス』も、ららぽーと甲子園店は坪当たりの売り上げが全国トップを維持している」と、同社の土屋哲雄専務は話す。
現在、職人などプロ向けの作業服を中心に展開する基幹店「ワークマン」は632店、作業服と一般客向けのアウトドア・スポーツカジュアルで構成する「ワークマンプラス」は269店。一般客向けに特化した「#ワークマン女子」は、作業服は扱わず、既存業態と共通の商品ラインナップだが、女性目線の商品を拡充して前面に打ち出すことで、F1層(女性の20〜34歳)を取り込む。4000億円の空白マーケットとされる低価格のアウトドアスポーツ市場のなかでも「女性向けは3分の2を占め、未開拓の巨大マーケットが存在する」(土屋専務)。加えて、既存店に一般客が増えたためにプロ客が駐車できないという物理的な問題を解消する狙いもあるという。
「#ワークマン女子」なんばシティ店は女性用4割、ユニセックス2割、男性用4割の構成。アウトドア、スポーツ、レイン用の機能性ウェアのみを扱い、オープン時は東京ガールズコレクションで発表したばかりの新商品を店頭に陳列して重点的に訴求する。疲れを軽減するコンプレッションウエアや、猟師のアンバサダーと共同開発した防虫ウエア、リバーシブル機能搭載で裏返せばスーツにもなる撥水性を備えた作業着など、ありそうでなかった商品や高機能商品、変身系ウエアなどユニークな商品がそろう。
SNSとリアル店舗の一体化を図るため、店内には、インスタ映えや動画映えするフォトスポットを多数設けた。店頭にはオリジナルキャラクター「わくこ」の巨大オブジェが置かれているほか、靴コーナーの床には撮影用イラストが描かれているなど、SNSでの発信を促す工夫をしているのも特徴だ。
「#ワークマン女子」は、4月16日に川崎駅前の川崎ルフロン店、5月14日に東京都足立区の千住大橋駅前のポンテポルタ千住店に出店した後、6月17日には千葉県の南柏にロードサイド1号店をオープンする。今後の出店計画では、大都市のターミナル駅や駅近のショッピングモールに直営店を約30店舗出店し、地方の中核都市のロードサイドにはフランチャイズ店の出店を加速する。現在、盛岡南店(岩手県)、長岡川崎店(新潟県)、前橋吉岡店(群馬県)、水戸元吉田店(茨城県)が決まっており、10年で400店の新規出店をめざす。
「#ワークマン女子」のロードサイド店は429〜495平方メートルを標準とし、初年度売り上げは2億8000万~4億2000万円を見込む。