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今月から、この言葉は使いません!! エディターズレター(2021年4月5日配信分)

※この記事は2021年04月05日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

今月から、この言葉は使いません!!

 お取引先の皆様にはご案内差し上げましたが、弊社は4月1日に組織改編を行いました。私が働く部門では、WWDジャパン編集部とWWDJAPAN.com編集部を完全統合し、WWDJAPAN編集部が誕生しました。媒体名に由来する2つの編集部体制では正直、真の意味でのOMOの追求は難しい面もありました。それを解消し、ユーザーの皆様に全てのメディアを自由に使って、最高の知的体験を提供することで業界に貢献するのが狙いです。

 新体制では、毎週月曜日に発行しているWeeklyメディアと、毎日・毎時更新を続けるDigitalメディアの使い方を大きく変える予定です。お披露目は5月から少しずつ、になるでしょう(少々、お待ちください)。端的にいえば、これまでまずWeeklyを作り、その後Digitalに「リフト」していた週替わりの特集コンテンツを、まずはDigitalに全て突っ込み(その多くは、有料会員限定記事になります)、取捨選択&「最適化」した集大成としてWeeklyでお届けする。そんな、“コンテンツの逆流”を目指しています。「定期購読者」改め「有料会員」のユーザー様のメリットは、「Weeklyが届き、Digitalでも全てのコンテンツが見られる」から「Digitalで月曜を待たず知ることができ、Weeklyで理解が深まる」に変わるかな?と思っています。Weeklyの価値は、毀損されません。軌道に乗ればおそらくコンテンツの総数が増えるであろうDigitalメディアの中から、業界にいる皆様のために厳選したコンテンツ、見逃したけれど知るべきコンテンツを「最適化」して、大きな紙面で、自由なレイアウトで、ダイナミックに知ることができるからです。Digitalファーストではありますが、引き続きWeeklyではセレンデピティ(偶然の出会い)に巡り会えるのです。

 今は、同僚にこの構想を伝え始めている段階ですが、「リフト」という言葉は決して使わず、「最適化」とくどく、うるさいくらいに呼び続けています(笑)。社内では「リフト」刑事になるつもりです。「『リフト』じゃないよ、『最適化』だよ!」と取り締まるのです(笑)。個人的な感覚かもしれませんが「リフト」という言葉には業務ではなく作業という感覚があり、これが流布してしまうとWeeklyの価値が生まれなかったり、最悪ナゾなヒエラルキーが誕生したりしてしまうのではないか?と危惧しています。以前お話しした、「リリース起こし」という言葉を改善したいという思いと一緒ですね。ちなみにこのお手紙以来私は、「リリースの記事化」と言うように心がけています。時々「リリース起こし」と口走ってしまい、慌てて言い直すこともあるのですけれどね(笑)。

「オジさん」は嫌いな言葉 エディターズレター(2020年10月28日配信分)

 話を、組織改編に戻しましょう。1つになった編集部では、「担当」をガチガチに決めないつもりでもいます。この言葉も、なるべく使わないつもり。私たちは、ファッションもビューティも、WeeklyもDigitalも、そしてプロ向けのニュースも意見を怯まずに述べるオピニオンも、あらゆるコンテンツを生み出す部隊。究極、「なんでも屋さん」です。だから「バッグ担当をお願いします!」と言うのではなく、「バッグの世界は、目を向けてほしいフィールド」くらいに止めるつもりです。その方があらゆるカテゴリーにアンテナを張るムードが醸成しやすそうだし、今っぽい気がします。責任が芽生えない、と言う懸念もあるでしょうか?でもそれは、「究極、業界に貢献するのが、私たちの仕事だよ」という大義が共有できていれば、各々、それぞれの責任を抱いてくれるのではないか?と考えています。

 ということで先週から私は、「定期購読者」を「有料会員」、「リフト」を「最適化」、「担当」を「フィールド」に置き換えています。

 新年度を迎え、私たち同様に組織が変わった会社も多いかと思います。言葉を再考、再定義するには、良いタイミングかもしれません。

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