専門店チェーン、セレクトショップの2021年3月度売上高(既存店ベース)は、コロナ感染拡大初期で大きく落ち込んだ前年同月からの反動や、緊急事態宣言解除後の外出増に伴い、2ケタ増の声が多数上がっている。気温上昇が早かったことで、春物の動きが好調という。ただし、一昨年同月実績を超えたのはあくまで一部に留まる。
しまむらの3月売上高(2月21日〜3月20日)は前年同期比24.6%増、一昨年同期比では9.5%増だった。「4月並みの暖かさの日もあり、アウターや肌着は春物から初夏・夏物まで好調だった」という。売れ筋はチュニック丈のシャツや重ね着用のニットベスト。“巣ごもり”需要の継続でリラクシングウエアやスポーツウエアも好調という。
「無印良品」を運営する良品計画の3月売上高(3月1〜31日。以下同)は前年同月比15.0%増、一昨年同月比では2.5%減。衣服・雑貨カテゴリーは同23.6%増で、「昨秋に値下げを行ったベーシック商品が好調。気温上昇が早く、7分袖のシャツなども売れた」という。
アダストリアは同17.8%増と、昨年10月以来5カ月ぶりの前年実績超え。一昨年同月比では10.7%減。好調ブランドは「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」など。「入卒園用などのオケージョンアイテムやパンツ、パンプスなどが売り上げの中心となった」という。
ワークマンは同11.3%増で、一昨年同月比でも31.0%増という大幅増。2月は3年5カ月ぶりに前年実績を割り込んで話題となったが、気温上昇に伴い復調。「Tシャツやトレーニングウエア、ジョギング対応シューズなど、アウトドア・スポーツ向け商品が好調。ウィメンズのリラクシングウエアも売れた」という。
ユナイテッドアローズは同1.1%減で、コロナ禍が広がった昨年3月以降では最高の数字となった。一昨年同月比だと24.9%減。売れ筋はウィメンズ、メンズともにシャツ、カットソートップス、パンツなど。
なお、ユニクロは4月8日に発表する2020年9月〜21年2月期決算に合わせて3月の月次売上高を公表する。