しまむらの2021年2月期業績は、本業のもうけを示す営業利益が前期比65.4%増の380億円だった。一連のMD(商品政策)改革によって値引き販売を抑制したことに加えて、新常態によって郊外立地が追い風になった。コロナ禍で都心の百貨店やファッションビルに出店するアパレルが苦戦する一方、郊外立地で生活に密着した同社や西松屋チェーン、ワークマンなどが業績を伸ばしている。
売上高は同4.0%増の5426億円。リラクシングウエアやスポーツウエア、衛生雑貨など巣ごもり消費に照準を合わせた商品が好調だった。売上高の7割以上を占める主力業態「ファッションセンターしまむら」の既存店の売上高は同2.6%増、客数は同1.6%減、客単価は同4.3%増だった。昨年10月に本格指導したオンラインストアの売上高は当初のほぼ予定通りの17億円だった。
値引きの減少で「ファッションセンターしまむら」の粗利益率が1.2ポイント改善し、また新聞への折り込みチラシからデジタルチラシへの移行などによって販管費を抑制したため、利益が底上げされた。純利益は同99.3%増の261億円になった。
22年2月期は売上高が前期比2.3%増の5548億円、営業利益が同1.6%増の386億円、純利益が同0.4%増の262億円を見込む。