しまむらは、オンライン経由の売上高を2024年2月期に120億円に拡大する。同社は昨年10月に自社EC(ネット通販)サイトを開設したばかりだが、購入者がリアル店舗で受け取る事例が多く送客効果が大きかった。ただ、売上高5426億円(21年2月期)から見れば規模は小さい。全国2154店舗(同)の店舗網を生かしたクリック&コレクトの事業モデルを築けるかがEC成功のカギになる。
5日にオンラインで開催された21年2月期決算説明会で鈴木誠社長が明らかにした。自社ECサイトは、それまでの店舗への商品取り寄せアプリ「しまコレ」と統合するかたちで昨年10月にスタートした。初年度の売上高は17億円で、うち商品の店舗受け取りが約9割を占めた。消費者の自宅への個別配送が中心のECに比べて、送料などの運営コストを抑えているのが特徴だ。昨年8月に東松山(埼玉県)の物流センターを増築、今年1月にさいたま新都心に新築した本社ビル内に撮影スタジオを設けるなど、環境整備に取り組み始めた。
今期(22年2月期)はオンライン経由の売上高50億円を想定する。そのうち40億円が「ファッションセンターしまむら」、10億円が子供服の「バースデイ」などその他の業態になる。規模の拡大に向けて関西にもEC専門の物流センターを設ける。
同社は24年2月期を最終年度にした中期経営計画を発表した。国内事業において売上高5950億円(21年2月期は5366億円)、営業利益493億円(同381億円)を目指す。店舗数は100店舗の増加を予定する。EC化率は2%程度の予想だが、全業態の商品を取り扱い、店舗受け取りの機会を増やして、ついで買いを促す。