海外大手ビューティ企業の2020年12月期決算が出そろった。20年は新型コロナウイルスの影響で店頭販売に大きな影響があったほか、消費者の美容習慣やトレンドも大きく変化した一年となった。減収で着地する企業がほとんどだが、ニューノーマルにおけるニーズにいち早く対応した企業は早速V字回復を成し遂げている。その要因について探る。(この記事は「WWDJAPAN」2021年3月29日号からの抜粋です)
2020年前半は各国でロックダウンが繰り広げられ、店頭の営業自粛などが痛手となったが、ロレアル(L'OREAL)とエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の直近のクオーター(20年10〜12月期)は早速回復している。ロレアルの同期間の売り上げは前年並みの78億8788万ユーロ(約1兆175億円)、エスティ ローダーは前年同期比4.9%増の48億5300万ドル(約5241億円)とプラスに転じた。
その要因の一つに、11月に中国で行われた「独身の日」セールが挙げられる。ロレアルは「ランコム(LANCOME)」と「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」がTモールのランキングでそれぞれトップブランドとなり、エスティ ローダーはプレステージスキンケアとフレグランスが売り上げに大きく貢献。また、セール時期以外でも中国市場は各社にとって大きな成長源になっている。ロレアル チャイナの年間の売り上げは前期比24.1%増で、全事業部において2ケタ成長を記録。エスティ ローダーは中国で実店舗、EC共に2ケタ増で、コティ(COTY)も「グッチ(GUCCI)」や「バーバリー(BURBERRY)」などのプレステージブランドが好調で、完売製品が続出した。
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