ファッション

「トミー ヒルフィガー」の障害者のニーズに寄り添う“アダプティブ”ラインから新コレクション

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、見た目は変えず、障害のある人のために着脱しやすい機能を加えた“トミー ヒルフィガー アダプティブ(TOMMY HILFIGER ADAPTIVE以下、アダプティブ)”の2021年春コレクションを発売した。アメリカと日本、オーストラリア、ヨーロッパの限られた小売店とECで扱っている。

 新コレクションでは、正統派なスポーツスタイルとプレッピースタイルを融合し、チノパンやポロシャツ、ルームウエアセット、ジーンズなど定番のアイテムをそろえた。トップスやパンツの留め具にはマグネットやベルクロなどを取り入れ、座ったままの着脱や片手でのコントロールがしやすいよう設計した。スエットパンツのウエスト部分には、ひもを引くことでシルエットや締まり具合を調整できるドローコードを採用。アウターにはファスナーの開け閉めがしやすい機能を、パンツの裾にはマグネットでの開閉機能を付けるなど、体ごとに異なる悩みを考慮しつつ、ほかの「トミー ヒルフィガー」のアイテムと変わらないデザインに仕上げた。またアイテムは、開封や返却もしやすいパッケージで送られる。アメリカでは、音声サービス「アレクサ(Alexa)」を利用して購入も可能だ。

 自身も自閉症の子どもの子育てをした経験のあるデザイナーのトミー・ヒルフィガーは、「“アダプティブ”では、いろいろな人が身近に感じられるようなアイテムを作っている。新しい洋服を着たり、出かける際に支度するという行為は、自己肯定心をあげたりワクワクする体験とつながっている。みんなにとって楽しいことであるべきだ。コレクションを通して障害のある人のファッションに変化をもたらして、個性を表現するための自立心と自信を届けたい」と語った。

 “アダプティブ”ラインは、子ども向けアイテムを中心に2016年に開始。ブランドのスタイルと着心地を保ちながら、毎日の着替えを楽にするアパレルをそろえる。日本でも20年からしている。「トミー ヒルフィガー」は、2025年までに全てのカテゴリーに“アダプティブ”版をそろえることを目標に掲げている。

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